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(問)

 契約書を作ろうと思います。ただ、何を書いたら良いのかが全く分かりません。どうしたら良いでしょうか。

(回答)

 契約書を作成するにあたり、注意すべきポイントは多岐に亘りますが、まずは契約書の基本的な事柄について解説します。

 

 1 契約書の構成

   基本的な構成は、下図の項目を参考にしてください。これを意識しながら確認するだけでも、契約書の全体像が把握しやすくなると思います。

【契約書の基本的な構成】

 

項目 概要
タイトル 「請負契約書」など、契約書の内容が端的に表れる表題にします。
本文 一般条項 支払条件、契約期間、解除の定め、損害賠償、秘密保持義務、合意管轄裁判所など、契約書に一般的に定められている条項。
主要条項 それぞれの契約毎に定められている条項。
後文 「本契約書を2通作成し、各自記名押印の上、甲乙各1通を所持する」など、契約書原本の作成通数や所持人などを定めるもの。
日付 契約を締結した日付。
署名・押印 契約当事者の署名や記名、押印。

 

2 5W2H

  契約書で大切なことは、契約書の形式ではなく、実現したい内容です。そのため、5W2Hに注意して、取引で実現したいこ内容を整理しましょう。その上で、曖昧な条項や内容があれば訂正するようにしましょう。

 

【契約書を確認する際の「5W2H」の例】

項目 チェック例
Who(誰が) 契約の当事者は誰か。
Why(なぜ) 契約締結の目的は何か(なぜ契約をするのか)。
What(何を) 締結する契約の内容はどのようなものか。
When(いつ) 契約の期限はいつか。いつまで有効な契約か。
Where(どこで) 契約の履行する場所はどこか。
How(どうやって) 契約は、誰がどのようなことをして、履行されるのか。
How much(いくらで) 契約を通じて支払う(受け取る)対価はいくらか。

 

 

3 契約書の用語

 契約書で使われている言葉や用法には、1つ1つ意味があります。たとえば、「商品A」と「商品A等」があった場合、「等」の有無によって、その契約条項が指し示す範囲が異なります。
 「等」の範囲が曖昧だと、「『等』には、何が含まれるのか」について相手方の解釈に相違が生まれてしまいます。
 したがって、「等」については、まずは、「等」が用いられている意味を把握し、相手方と意思疎通を図ったうえで、その契約書で「等」を用いることが適切なのか否かを検討するとよいでしょう。
 他にも、「製品」、「商品」、「対象商品」、「半製品」、「仕掛品」など、同じ意味にも理解できそうな言葉や用法にも注意しましょう。
 一般的に、契約書で使われている言葉や用法が異なれば、その意味も異なると理解されています。
 逆に、意味が同じなのに異なる言葉や用法を使っている場合、それは必ず統一しなければいけません。

 

 

 

 

4 権利や義務が発生する要件が明確になっていること

 権利・義務が発生する要件が明確になっていることも、契約書を確認する時の大切なポイントです。
 たとえば、商品の売買契約書における返品に関する条項が「本売買契約に基づき納入された商品に不具合がある場合、乙(買い手)は、甲(売り手)に当該商品を返品することができる」と条項を例にしてみます。
 この条項では、何が「不具合」に該当するのかが不明確なので問題です。
 この場合、「商品自体には不具合はなく、外装にのみ汚損がある」といった、判断に迷うような事態が発生したときにトラブルになりかねません。「不具合」に該当する事由を具体的に列挙する必要があります。
 

 

 

契約書を締結する意義とは?

(問)

契約書がなくても、これまでに問題になったことがありません。それでも今後は契約書を作成した方が良いのでしょうか。

 → 確かに、たとえば売買契約は、契約書がなくても、売主と買主の合意によって、法律的には成立します。法律上の有効性の面では、必須ではありません。

   しかし、トラブルとなった場合のリスクを考えると、必要といえます。

 

<契約書を作成する3つの意義>

1 契約が成立したことを相互に確認する意味

2 スムーズな取引を実現させるために、権利と義務についての合意「内容」を確認する意味

3 トラブルが発生した場合の証拠とする意味

 

 契約書は、取引にトラブルや行き違いが発生した場合に、大きな意味を持ちます。特に裁判所は、書証に対する信頼が非常に厚いので、「契約書」はまさに最重要の証拠となります。

 

 仮に取引の相手方が契約書の作成に協力をしてくれない場合、議事録や打合せメモに双方が署名をしたり、注文書や請書に必要な事項を記しておくことで、代替物を作成することができます(ただし、証拠としての価値は劣ります)。

 また、メールのやり取りも証拠になり得ます。

 これらはあくまで契約書との比較において、その証拠価値は劣りますが、裁判でも有力な証拠になることは間違いありません。

 

 

 

 

【契約書を結ぶ意味とは?】

(こんな経験ありませんか)

・取引とは直接関係のない付き合いや協力を求められた

・契約文言についての解釈が取引先と異なった

・仮発注を受けて準備したが、いつまでも正式な発注がなかった

・納得できる説明なく、返品や再納入を求められた

 

    ↓

 

(予防できることは、まだ沢山あります)

 少し事前に手間をかけましょう。

 困ったことやトラブルが起きる前の「事前」の行動は、起きた後の「事後」の対応に比べ、費用も時間も遥かに少なくて済むと言われています。

 余計な不安やストレスをかけることなく、ご自身のビジネスに専念するための「契約書」です。