訪問販売でリフォーム工事を発注しました。契約を解除したいので、クーリング・オフできますか?
リフォーム工事の訪問販売でクーリング・オフを検討している消費者

訪問販売では、突然の勧誘を受けた消費者が、販売員の言動に左右されて申し込みをしてしまうことが多くみられます。

そして、後日、解約をめぐってトラブルになることが少なくありません。

このような弊害を除去するため、消費者に契約後に冷静に考え直す時間を確保し、不本意な契約から解放される手段として、特定商取引法9条にいわゆるクーリング・オフの制度が設けられました。

弁護士 岩崎孝太郎

クーリング・オフは、訪問販売を受けた方が無条件に契約の申込みを撤回できること、契約を解消できるものです。

契約を解消するのに、理由は一切不要です。

訪問販売により、不本意な契約をしてしまった場合には、真っ先に思い浮かべて欲しい制度です。

ただ、クーリング・オフは、8日間という期間制限がありますので、時間との戦いになってしまう点が、最大の弱点です。

この記事では、訪問販売に対するクーリング・オフについて、詳しく解説いたします。

なお、悪質な訪問販売によるリフォーム工事被害について、クーリング・オフを中心とした救済方法を別記事でも解説をしていますので、ぜひご覧ください。

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目次

第1 無条件で解除可能なクーリング・オフとは(全体像の概説)

1 クーリング・オフを行使したら?

クーリング・オフとは、訪問販売を受けて契約をした消費者が、無条件に契約の解除をできることをいいます。

消費者被害の多い訪問販売において、消費者保護を図る規定のため、クーリング・オフを行使すると、以下のような効果が認められます。

【クーリング・オフを行使した場合の効果】

  • 契約の効力が消滅する
  • 損害賠償や違約金の支払義務は生じない
  • 訪問販売事業者の費用負担による原状回復が可能
  • 訪問販売事業者は受領した代金の返還義務を負う
  • 訪問販売事業者は、商品を利用した利益や提供済みサービスのに対する費用の請求はできない
  • 訪問販売事業者は入会金などを受領している場合も速やかに返還する義務を負う

2 クーリング・オフはできるのか?

クーリング・オフができるかどうかは、以下のフローチャートに沿って考えると、概ね判断できると思います。

クーリング・オフができうるかの検討をする流れ図。
契約から8日以内であるか?法定書面に不備があるか?クーリング・オフ妨害行為があるか?を検討し、いずれかに該当すれば、クーリング・オフが可能となります。

第2 期間制限

1 法定書面を受領してから8日以内

クーリング・オフは、「申込者等が第5条第1項又は第2項の書面を受領した日(その日前に第4条第1項の書面を受領した場合にあつては、その書面を受領した日)」から起算します(特商法9条1項但書)。

特定商取引法4条、5条、同法施行規則3条及び4条記載の事項が記載された書面を「法定書面」と呼びます。

あくまでも法定書面(4条書面は「申込みの内容を記載した書面」、5条書面は「売買契約又は役務提供契約の内容を明らかにする書面」)を受領した日からカウントしますので、必ずしも契約申込日や契約締結日から起算するわけではありません。

8日間は、受領した日も含めて8日間となりますので、受領日の翌週の同一曜日までクーリング・オフできることになります。

たとえば、月曜日に受領した場合は、翌週の月曜日までクーリング・オフが可能です。

一週間は早く過ぎてしまいますので、クーリング・オフをしたい場合には、すぐに行動に移しましょう!

【参考ページ】
🔗「訪問販売の場合の契約書面の例」(公社日本訪問販売協会)

2 期間が不進行となる場合

クーリング・オフは、8日間を経過するとクーリング・オフの権利を行使できなくなります。

もっとも、以下に記載するような事由があれば、クーリング・オフの期間は進行しません!!

ア クーリング・オフ妨害(回避行為・阻害行為)

訪問販売事業者が、消費者のクーリング・オフの権利行使を妨げる行為をした場合には、クーリング・オフの期間が延長されます。

この場合、消費者が正当にクーリング・オフを行えるよう、妨害行為が解消された後に改めて8日間のクーリング・オフ期間が保証されます(特商法9条1項但書)。

妨害(回避行為・阻害行為)には、次のようなものが挙げられます。

  • 大幅に値引きした契約なので、クーリング・オフ対象外ですと虚偽の説明をすること

  • すでに工事に取り掛かっている(又は工事完了した)ので、もうクーリング・オフはできないと嘘の説明をすること

  • クーリング・オフ(契約解消)の理由を聴取し、うまく言いくるめてクーリング・オフを撤回するよう迫ること

イ 書面が不交付

クーリング・オフは、あくまでも法定書面を受領した日から算定されますので、法定書面の交付がなければ、クーリング・オフの期間は進行しません。

また、契約前に、契約内容を明らかにする書面が交付されたとしても、それは法定書面の交付にはなりません。

裁判例では、着物の購入について契約後約10ヵ月、引渡後約8ヵ月が経過した事案(東京地判平成16年7月29日)、ゴルフクラブ会員権の購入について、契約後2年5カ月が経過した事案(東京地判平成8年4月18日)について、契約後の期間経過にもかかわらず、書面不交付を理由にクーリング・オフを認めました。

弁護士 岩崎孝太郎

書面交付義務違反(不交付、虚偽記載、不備記載など)に対しては、6月以下の懲役又は100万円以下の罰金(併科あり)が科せられます(特商法71条1号)。

また、その他大臣からの指示(特商法7条1項)及び業務停止命令(同法8条1項)があり、厳しい規制がなされています。

ウ 記載事項に不備がある場合

訪問販売では、取引条件が不明確であったり、曖昧であるためにトラブルとなることが多くあります。

そのため、特商法4条、5条によって、取引条件を明らかにした書面を契約の申し込み及び契約締結の段階で消費者に交付することが、訪問販売事業者には義務付けられています。

なお、法定記載事項のうち重要事項(契約条件、クーリング・オフの告知など)が欠落していれば法定書面の受領はないと考える見解や、書面の記載のみならず、勧誘方法や消費者の認識状況などを総合的に判断するべきとの見解があり、違反した場合の明確な運用は定まっていません。

書面の記載事項として、主な内容を記載します(特商法4条各号、特商則5条各号、特商法5条1項柱書)。

  • 契約全般

    ①書面の内容を十分に読むべき旨(赤枠・赤字で記載、特商則6条2項)

  • 契約の当事者に関する事項

    ①事業者の氏名・名称、住所・電話番号、法人代表者名(特商則5条1号)
    ②契約申込・締結を担当した者の氏名(特商則5条2号)

  • 契約の目的物に関する事項

    ①商品名及び商品の商標又は製造者名(特商則5条4号)
    ②商品の型式(特商則5条5号)
    ③商品の数量(特商則5条6号)
    ④商品若しくは権利又は役務の種類(特商法4条1号)
     → 工事内容が特定できる程度に記載することが必要で、「床下工事一式」、「床下耐震工事一式」などは不十分です

  • 契約の代金に関する事項

    ①商品・権利の販売価格、役務の対価(特商法4条2号)
    ②商品若しくは権利の代金又は役務の対価の支払の時期及び方法(特商法4条3号)

  • 契約の履行に関する事項

    ①商品の引渡時期・権利の移転時期・役務の提供時期(特商法4条4号)
    ②販売事業者の契約不適合責任(特商則5条7号:特約を定めた場合)
    ③その他特約(特商則5条9号:特約を定めた場合)

  • 契約の解除に関する事項

    クーリング・オフの要件及び効果(特商法4条5号)
     → 赤枠・赤字8ポイント以上の活字で記載することが必要(特商則6条、7条6項・1項)
    ②契約解除事項(特商則5条8号:特約を定めた場合)

  • 契約の日付に関する事項

    ①契約の申し込み・締結の年月日(特商則5条3号)
代金の支払時期・方法の記載を欠いていた立替払の事案
立替払契約であることを踏まえると絶対に必要とはいえないと判断
大阪地判昭和62年5月8日
品名欄に「ユニウォール21」、数量欄に「一式」、「商標又は製造者名」、「支払方法」などの記載がなく、ナショナルの製品であるかのようにも偽った。
東京地判平成5年8月30日
外壁改装工事(アルミサイディング工事)の請負で、クーリング・オフの記載がない事案
契約から8ヵ月の経過でもクーリング・オフを認める。
東京地判平成6年9月2日
屋根用パネルの販売・取り付けで、代金の内訳・支払時期、引渡時期、商品の数量等に不備があった
消費者が高齢で認知に問題があり、販売員の説明も不十分であるとした。
東京地判平成7年8月31日
複数の商品代金の内訳の記載がない大阪地判平成18年6月29日
活字の大きさが8ポイント未満神戸地判平成17年12月19日
クーリング・オフをめぐる裁判例

✍ 注目裁判例(大阪地判平成30年9月27日)

特商法4条1号は「商品若しくは権利又は役務の種類」を定めているところ、権利又は役務において「種類」とは、当該権利又は役務が特定できる事項をいい、その内容が複雑な権利又は役務については、その属性に鑑み、記載可能なものをできるだけ詳細に記載する必要があると解される。


本件契約書には、「工事名称」として「外壁塗装・屋根塗装工事」と記載され、さらに「工事内訳」として「外壁塗装工事、GAINA4工程272㎡」「ペンキ塗装工事 ニッペファインウレタン 2工程一式」「屋根塗装工事、GAINA4工程 183㎡」「屋根足場 急こう配」「室内塗装工事2カ所 写真1,2」と記載されているが、当該記載のみでは、塗装工事や付随する工事の具体的範囲について、必ずしも明確ではなく、特に・・・本件請負契約⑴において、外回りペンキ塗装工事は、被告の自宅建物の玄関ドア、入り口ドア、ガレージドア、勝手口ドア・・・の塗装工事が含まれているところ、本件契約書には、単に「ペンキ塗装工事 ニッペファインウレタン 2工程一式」とだけしか記載がなく、この記載のみでは、外回りペンキ塗装工事の内容が明確ではないと言わざるを得ない。

したがって、本件契約書、本件打合せシート及び本件約款の記載のみでは「商品若しくは権利又は役務の種類」の記載があったということはできない」と判示しました。

3 (例外)クーリング・オフが権利濫用として否定される場合

リフォーム工事が終わって相当な期間が経過してしまうと、それまでに特に文句なく生活していた事実を重視され、工事にかこつけた不当なクレームであると、訪問販売事業者から反論が出されることが予想されます。

法律的には、クーリング・オフの意思表示が権利の濫用に該当し、無効になるかが争われるポイントになります。

裁判例では、訪問販売事業者が消費者に対して工事代金の支払いを求めた裁判で、訴訟提起から半年後にクーリング・オフの主張を行ったのに対し、事業者は権利の濫用との反論を行いました(東京地判平成6年9月2日)。

この事例では、代金支払いのトラブルの要因が事業者側にあったこともあり、権利の濫用に当たらないと判断されました。

ただ、クーリング・オフを行わない特段の事情もないのに、相当期間が経過している場合には、権利の濫用に該当する可能性にはご注意ください。

第3 クーリング・オフ規定の適用除外

1 営業のために若しくは営業として締結する場合(特商法26条1項1号)

特定商取引法が、一般消費者を保護するための法律のため、事業者が「営業のために若しくは営業として締結する」場合には、クーリング・オフを行使できません。

営利性反復継続性を基に判断されます。

ただ、営利性の要求については判断が分かれており、以下で紹介する税理士2名の裁判例が顕著なものといえます。

裁判例では、自宅で理髪店を営む者への多機能電話機の訪問販売の事案について、業務用に利用することなくほとんど自宅用である場合には、契約書に理髪店の屋号を書いていたとしても、「営業のために」する取引に当たらないと判断しました(越谷簡判平成8年1月22日)。

また、自動車の販売・修理の会社に設置する消火器の訪問販売の事案では、訪問販売事業者の詐欺的勧誘もあり、「消火器を営業の対象とする会社ではない」として、「営業のため若しくは営業として締結したものではない」として、クーリング・オフの適用を認めた事案があります(大阪高判平成15年7月30日)。

一方、税理士2名が電話機・FAXのリース契約でクーリング・オフを主張した事案で、事業の内容、電話機等の用途、事業への新しい電話機等の利用状況と必要性、事業の規模・収入、事業者名での契約か否か、リース料を経費として計上しているか否か等の事情を考慮して判断し、税理士1名については「営業のため」にリース契約を締結したと判断したものの、もう1名については「営業のために」なされたとは言い難いとして、クーリング・オフを認めています(大阪地判平成21年10月30日)。

2 消費者から自宅に来るように請求して締結した場合(特商法26条6項1号)

取引を請求する場合には、商品などを購入する意思があったものとみなされるため、不意打ちのおそれがなく、適用除外となります。

ただ、購入者が契約の申込み又は締結をする意思をあらかじめ有していたとは認められない場合には、適用除外となりません。

【適用除外を考えるイメージ】

(適用除外とされる場合)
・工事の見積もりを要求した場合
・カタログを要求した場合
・商品の説明を求めた場合


(適用除外とされない場合 → クーリング・オフ可能)
・商品について問い合わせたところ、事業者より訪問したい旨の申出があった場合
・台所の水漏れ修理を依頼したところ、台所のリフォームを勧誘された場合

【参考ページ】
🔗「訪問販売等の適用除外に関するQ&A」(特定商取引法ガイド)

第4 行使方法

1 どうやって事業者に通知するべきか?

特商法9条1項は、「書面又は電磁的記録により」申し込みの撤回、契約の解除を行うことができると定めています。

そのため、通知の方法は、ハガキに書いて郵送しても、自宅に来た担当者に書面を手渡しても大丈夫です。

後日の紛争防止のために、ハガキや書面の表裏をコピーして、発送・到着した記録に残る形がベストです。

FAX電子メールも、有効な通知方法です。

✍ 推奨される通知方法

配達証明付き内容証明郵便の活用がベストです。

ただ、馴染みのない方も多いでしょうから、送る書面をコピーしておき、郵便局の窓口で「簡易書留」か「特定記録郵便」で発送しましょう。

時間がない場合は、レターパックを活用します。

メールFAXも、郵便と共に合わせて活用すると良いです。

口頭によるクーリング・オフは有効か?

法律に「書面又は電磁的記録」と規定された理由は、権利関係を明確にするためと、後日の紛争防止です。

そのため、口頭でもクーリング・オフの行使を明らかにできる場合には、有効なクーリング・オフとして扱われ、裁判例においても認められるものがいくつか存在しています(福岡高判平成6年8月31日、広島高判松江支部平成8年4月24日、大阪地判平成17年3月29日など)。

2 クーリング・オフの意思表示の内容

申し込みを撤回する、または契約を解除する旨が読み取れれば、クーリング・オフの意思表示として認められます。

裁判例では、①展示会での振袖購入後にすぐに手紙を出した内容がお礼状とも再考したいとも読める文面だったが、「何卒御事情御察知くださいまして御了承いただきたく、おことわり傍々お願い申し上げます」との結びの文を重視して認められた事例(神戸地判昭和63年12月1日)、②「受け取ることはできん、持って帰ってくれ」との言葉(口頭拒絶)を重視して認めた事例(大阪簡判昭和63年3月18日)があります。

クーリング・オフの通知に記載する内容。

🔗「特定商取引法ガイド」ホームページより引用

3 発信主義(特商法9条2項等)

申し込みの撤回や契約の解除は、クーリング・オフの書面又は電磁的記録による通知を発した時効力を生じます。


第5 効力(効果)

1 損害金・違約金の不適用

販売事業者としては、一方的に申し込みを撤回、又は契約を解除されると、契約のために費やした費用やすでに履行済みの工事費用などの返還を求めたいでしょう。

もっとも、これを認めてしまうと、クーリング・オフの制度の意味がありません。

そのため、訪問販売事業者は、損害賠償請求をできないことが明記されました(特商法9条3項)。

同様に、申込書や契約書に損害賠償の予定や違約金の条項が定められていることがありますが、そのような契約書などが作成されていたとしても、訪問販売事業者は約定損害金の賠償支払いを求めたり、違約金の請求はできません。

2 事業者の義務

消費者の土地・建物その他の工作物の現状が変更された場合は、訪問販売事業者に原状回復措置無償で求めることができます(特商法9条7項)。

この規定により、工事途中でのクーリング・オフによって、痕が残るなどの問題がある場合にも、事業者に対して工事痕の消去を求めることができます。

現状を変更する行為の例としては、取り付け工事で穴を開けること、外壁工事で足場を組むこと、外壁の一部を外すこと、屋根工事で瓦を下ろすこと、床下換気扇取り付けのため基礎に穴を開けることなどがあります。

仮に事業者が原状回復を行わない場合には、消費者は原状回復の遅れによる損害賠償を求めることができます。

これはあくまでも消費者の「権利」のため、原状回復を求めないことも選択できます。

特定商取引法9条7項
役務提供契約又は特定権利の売買契約の申込者等は、その役務提供契約又は売買契約につき申込みの撤回等を行つた場合において、当該役務提供契約又は当該特定権利に係る役務の提供に伴い申込者等の土地又は建物その他の工作物の現状が変更されたときは、当該役務提供事業者又は当該特定権利の販売業者に対し、その原状回復に必要な措置を無償で講ずることを請求することができる。

🔗e-Gov法令「特定商取引法」

3 消費者の返還義務

消費者は、原状回復義務を負います。

そのため、例えば商品の売買契約において商品がすでに消費者に渡されている場合、消費者は商品を返還する義務を負います(現状で返還すれば足ります。ただ、紛失や通常の使用を超えた毀損の場合には、賠償責任は発生します)。

民法では、返還費用は購入者負担となりますが、クーリング・オフでは返還に必要な費用は事業者負担となります。

そのため、事業者が商品の受け取りに来ない場合には、消費者が着払いで事業者に送付することができます。

リフォーム工事を終えた後に消費者がクーリング・オフをした場合でも、事業者は住宅の経済的価値上昇分やリフォーム工事に調達した材料費などの返還請求を求めることはできません。

特定商取引法は、訪問販売事業者の不当利得の返還請求や対価の請求をできないものとしています(特商法9条5項)。

こう考えると、クーリングオフのリスクがあるのに、契約をして8日以内に工事を完了させるなんて、クーリング・オフを妨害する業者の手口と考えることができますね。

特定商取引法9条5項
販売業者又は役務提供事業者は、商品若しくは特定権利の売買契約又は役務提供契約につき申込みの撤回等があつた場合には、既に当該売買契約に基づき引き渡された商品が使用され若しくは当該権利が行使され又は当該役務提供契約に基づき役務が提供されたときにおいても、申込者等に対し、当該商品の使用により得られた利益若しくは当該権利の行使により得られた利益に相当する金銭又は当該役務提供契約に係る役務の対価その他の金銭の支払を請求することができない

🔗e-Gov法令「特定商取引法」

4 クーリング・オフの撤回

消費者がクーリング・オフを撤回した場合は、クーリング・オフを撤回したとしても元の契約は復活せず、再契約の申し込みと判断した裁判例があります。

訪問販売事業者が再度法定書面を交付しなければ、クーリング・オフの行使期間は進行しないと判示しました(神戸簡判平成17年2月16日)。

第6 クーリング・オフと割賦販売法(クレジットカードを利用した場合)

1 訪問販売でクレジットカードを利用してもクーリング・オフできる

訪問販売では、代金の支払いについて、信販会社や金融機関との間の立替払契約が利用されることがあります。

平成20年(2008年)に特定商取引法の改正と共に割賦販売法も改正され、代金の支払いについてクレジット契約をした場合には、クレジット契約もクーリング・オフが可能となりました(割賦販売法35条の3の10)。

すなわち、信販会社に対してクーリング・オフをした場合、信販会社とのクレジット契約が解消するとともに、事業者との契約も解消したとみなされます(割賦販売法35条の3の10第5項・クーリング・オフ連動の効果といいます)。

信販会社は、消費者に対し損害賠償や違約金の請求はできませんし(同条3項)、消費者から受領した既払金も返還しなければなりません(同条9項)。

クーリング・オフの行使期間は、リフォーム工事等の契約と、クレジット契約のそれぞれについて判断します。

2 クーリング・オフをした場合の後処理

クレジット契約に対してクーリング・オフをした場合は、以下のような清算の流れを辿ります。

  • 訪問販売事業者に交付されている立替金は、クレジットカード会社に返還されます。
    他方、クレジットカード会社は、消費者に立替金を請求してはいけません。

  • クレジットカード会社は、消費者に既払い金を返還します。

  • 消費者は、訪問販売事業者に受領済の商品があれば返還し、販売事業者は受け取っている頭金等があれば消費者に返還します。

3 (参考)改正前の状況

平成20年の改正前は、訪問販売契約をクーリング・オフできても、クレジット契約自体は別個の契約として扱われるため、クレジットカード会社に対して代金の支払い義務が生じていました。

消費者は信販会社に支払拒絶の抗弁を行使できましたが(割賦販売法35条の3の19)、支払い済代金は事業者に返還を求める必要があるなど、消費者保護として十分ではなかった経緯があります。

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第7 当事務所への無料相談方法と弁護士費用

1 訪問販売のリフォーム工事被害を弁護士に無料相談する

弁護士 岩崎孝太郎

訪問販売のリフォーム工事によるぼったくり被害は、全国のいたるところで発生しており、社会問題化しております。

消費者に与えられた一番強い武器は、クーリング・オフです。

被害者が高齢者が中心なこともあり、被害の発覚が遅れ、クーリング・オフの8日間を経過していることも少なくありません。

ただ、クーリング・オフの8日間が本当に進行しているかは、慎重な検討が必要です。
仮に進行していたとしても、戦う手段はあります。

直ちにクーリング・オフの通知を発送するとともに、弁護士などの専門家の無料相談をご活用いただきたいと思います。

2 当事務所の弁護士費用(ぼったくりリフォーム工事)

当事務所の弁護士費用は、初回相談料無料、着手金も無料。
報酬金として、33%(但し、最低33万円)をいただいております。

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