相続を契機としてゴルフクラブの会員を退会され、預託金の返還をして欲しいとご相談にいらっしゃるケースは、非常に多いです。

ゴルフクラブの会員権を相続した場合に、相続人として必要な手続。

第1 ゴルフクラブの会員権を相続した場合に必要な手続

相続財産にゴルフクラブの会員権がある場合、まず税金面の問題として、相続税の評価をどのように算定するかの問題があります。

次に、相続手続において、ゴルフ場に対してどのような手続を行うべきか分からないことも多いでしょう。

そこで、この記事において、相続税の算定の問題と、ゴルフクラブに対する相続手続について解説します。

第2 ゴルフ会員権の相続税対応(相続税算定の評価)

ゴルフ会員権の相続税算定額を考えるにあたっては、1⃣流通性(取引相場)があるか、2⃣預託金が含まれるか、の二点から考える必要があります。

最も多いケースは、流通性があり、かつ、取引価格に預託金が含まれる場合です。

相続人

【よくあるご質問】

預託金の額面として400万円の記載がありますが、返還待ちの人が大勢いるため、30年後の返還とするか、今すぐなら10万円の返還になりますと言われました。

相続税の算定にあたって、400万円として扱う必要がありますか?

ゴルフ会員権を仲介する会社のホームページなどで、売買価格を確認できると思います。

この場合は、仲介会社のホームページなどを疎明資料として、取引(売買)価格の70%を相続財産として算定します。

相続人

預託金の額面や、実際に返還を受ける金額ではなく、取引価格を基準にすればよいのですね。

預託金制のゴルフ会員権は、①施設優先利用権、②預託金返還請求権、③年会費納付義務がセットになっています。

そのため、ゴルフ会員権の評価を考えるにあたっても、基本的に会員権と預託金返還請求権とを分けて考えることはできません。

預託金ゴルフ会員権は、大きく①施設優先利用権、②預託金返還請求権、③年会費納付義務の3つにより構成されています。

ゴルフ会員権を売却すると、預託金返還請求権も会員権の売却に伴い譲渡されますので、取引価格の70%という基準が利用されます。

会員権を相続した場合には、年会費に未納がないかもチェックしてください。

5年以上前の未納分は、消滅時効により債務を消滅させることができます。

ゴルフ会員権の相続税額の算定にあたっては、タックスアンサーを参考にしたり、税理士(会計士)にご相談することが一番確実です。

【参考】🔗「No.4647 ゴルフ会員権の評価」(タックスアンサー・国税庁HP)

第3 ゴルフ会員権の名義書換や退会手続

1 ゴルフクラブに対して必要な手続

会員がお亡くなりになられた場合には、ゴルフ場に連絡をします。

その際に、今後の手続について案内を受けるのが一般的ですが、会員権の相続を認めているかにより若干手続が異なります。

2 規約で相続による会員変更を認めている場合

規約で相続による会員変更を認めている場合、相続人が会員となり、ゴルフ場を優先利用する権利や預託金返還請求権を得る一方、年会費の納入義務を負います。

相続人が複数いても、優先プレー権などを分割することは想定されておらず、会員権の相続は1人に限られるのが一般的です。

相続による名義書換にあたっては、以下の書類をゴルフ場に提出します。

  • 被相続人の出生から死亡までの戸籍謄本等(相続人確定のため)
  • 相続人の戸籍謄本
  • 遺産分割協議書(ゴルフ会員権部分のみで可)
  • 相続人全員の印鑑登録証明書

退会や第三者に売却をするにしても、まずは相続人名義にしてから退会や売却の手続を進めることが一般的です。

相続人の方がゴルフをしないのであれば、退会申請をして預託金の返還請求を行う流れとなります。

3 規約で相続による会員変更を認めていない場合

規約で相続による会員変更を認めていない場合があります。

この場合、ゴルフクラブ等(ゴルフ会員権売買の仲介会社等も)が会員権を買取ります。

買取りとなりますので、未払年会費(直近5年分)や預託金などの精算を行うこととなります。

第4 預託金がある場合には返還請求へ

弁護士 岩崎孝太郎

被相続人の方がゴルフ会員権を有していたので、相続手続をして退会申請をしたところ、「額面とは程遠い預託金の返還しか提案されなかった。」というご相談はよくあります。

ゴルフ場の回答がどのような内容なのかによりますが、全く返還が見込めなさそうな場合(30年後を予定しています、数パーセントしか返せませんなど)には、弁護士に丸投げして少しでも手元に残るお金を増やすことをご検討ください。

弁護士に依頼する分、費用はかかってしまいますが、何もしないよりは良い状態へと、お力添えできることがあると思います。

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第5 ゴルフ会員権の預託金(保証金)返還を弁護士に依頼するメリットとは?

ゴルフ場が法的手続(民事再生、破産など)に入ると、回収はあきらめざるを得ません。

しかし、そうでなければ、ほとんどの場合において回収を図ることができます。

しかも、弁護士費用を考慮しても、返還される時期や金額面において、依頼前よりも条件の良い内容で解決を図れることが多いです。

つまり、ゴルフ場の預託金返還請求は、弁護士に依頼することで損をすることがほぼない類型といえるのです。

第6 当事務所の弁護士費用

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