「賃借人に退去してもらいたいが、どうすれば認められるのか」、「立退料を払えば必ず出てもらえるのか」、そうお悩みの建物オーナーの方は多くいらっしゃいます。

建物オーナーが賃借人に退去を求めるためには、借地借家法28条に定める「正当事由」が必要です。
そして、「老朽化しているから」、「立退料を払うから」だけでは認められないケースが多くあり、正当事由の判断は単純ではありません。
この記事では、正当事由の判断構造と、肯定・否定を分けるポイントを、裁判例を交えて解説します。

賃貸借契約の期間満了を迎えるにあたり、賃借人との契約を終了させたいというお考えのオーナは多くいらっしゃいます。
契約終了を阻害する「正当事由」(借地借家法28条)について、裁判例をベースに、詳しく解説いたします。
- ● 建物オーナーが更新を拒絶するには「正当事由」が必要であり、「出て行ってほしい」と伝えるだけでは法的効力を持たないこと
- ● 正当事由の肯定・否定を分ける最大のポイントは「賃貸人側の必要性の切実さ」にあること
- ● 「老朽化している」だけでは正当事由として認められないケースが多いこと
- ● 居住用物件と事業用物件では、裁判所が重視するポイントと立退料の考え方が大きく異なること
- ● 立退料を支払えば必ず退去させられるわけではないこと
第1 正当事由とは?(借地借家法28条)
正当事由とは、建物オーナーが賃貸借契約の更新を拒絶したり、解約を申し入れたりするために必要な「正当な理由」のことです(借地借家法28条)。
裁判所は、以下の事情を総合的に考慮して、正当事由があるかどうかを判断します。
- ● 貸主・借主双方が「建物の使用を必要とする事情」(最も重要)
- ● 建物の賃貸借に関する従前の経過
- ● 建物の利用状況
- ● 建物の現況(老朽化の程度など)
- ● 立退料などの財産上の給付
これらはどれか一つが決め手になるのではなく、すべての事情を総合的に考慮した上で判断されます。
基本的な判断構造として、裁判所は常に賃貸人と賃借人双方の「建物の使用を必要とする事情」を主たる判断基準とし、それに従たる事情(建物の老朽化、利用状況等)を加え、それでも足りない場合に「立退料の提供」によって正当事由が補完されるか、という枠組みで判断しています。
第2 肯定と否定を分ける3つのポイント(分水嶺)
肯定と否定を分ける最大のポイントは、「賃貸人側の必要性の切実さ」と「客観的な老朽化・危険性の程度」、そして「賃借人の不利益を補填する適切な立退料の提示があるか」にあります。
1 賃貸人側の「必要性」の性質(切実さか、単なる利益追求か)
肯定されやすいケース
建物の老朽化や耐震性不足が著しく、大地震等で倒壊する危険性が高く、放置すれば第三者にも危害を及ぼすおそれがある場合や、賃貸人自身の切実な自己使用の必要性がある場合は、取壊しや建替えの必要性が高く評価され、肯定されやすくなります。
否定されやすいケース
賃貸人の目的が、単なる「収益性の向上(高度利用による家賃収入増)」、「土地の転売利益の獲得」、「投資資金の回収」といった経済的利益の追求にすぎない場合は、賃借人の生活や営業の基盤を奪ってまで認める必要性は低いとされ、多額の立退料を提示しても否定される傾向にあります。
2 建物の老朽化・耐震性不足の「客観的な程度」と「経済的合理性」
建物の老朽化が主張されても、直ちに倒壊の現実的危険がない場合や、比較的安価な修繕・耐震補強工事によって安全性を確保できると判断された場合は、建替えの必要性は否定されます。
逆に、耐震補強工事が技術的に不可能であったり、修繕費用が建物の価値や賃料収入に見合わず「経済的合理性を欠く」と客観的に判断された場合は、建替えの必要性が肯定されます。
3 適切な「立退料」の提示の有無
賃貸人の必要性が賃借人の必要性を大きく上回らない限り、正当事由は立退料によって補完される必要があります。
賃借人が被る経済的・物理的な不利益を適正に評価し、それをカバーするに足る立退料の支払いが提示されなければ、正当事由は否定されます。
第3 居住用と事業用における判断構造と分かれるポイントの違い
基本的な判断枠組み(借地借家法28条)は同じですが、賃借人が建物を必要とする理由の性質が異なるため、裁判所が重視するポイントや立退料の考え方に大きな違いが生じます。
1 賃借人の「使用を必要とする事情」の中身の違い
居住用(生活基盤の保護)
居住用物件では、賃借人の属人的な事情が極めて重く見られます。
長期間居住していることによる地域コミュニティとの結びつき、高齢であること、疾患や要介護状態にあることなどが考慮されます。
転居に伴う肉体的・精神的負担が過大であるとみなされると、賃貸人側に相応の事情があっても正当事由が否定されやすくなります。
事業用(営業基盤・経済的利益の保護)
事業用物件では、その場所で営業を継続する必要性、すなわち立地への依存度が重視されます。
その場所だからこそ獲得できている常連客の存在、特別な内装や設備への投資、その土地に根ざしたブランドイメージ(のれん)などが考慮されます。
ただし、他の場所でも営業が可能(代替性が高い)と判断されれば、立退料という金銭的補償によって解決されやすい傾向があります。
2 代替物件の有無・移転の困難性の捉え方の違い
居住用
通常、同程度の広さ・家賃の居住用物件を探すことは比較的容易とされます。
しかし、超高齢者などの場合、貸主から入居を敬遠される現実的な困難さがあることや、かかりつけ医への通院など生活圏が変わることのダメージが考慮され、代替性が否定されることがあります。
事業用
業種によって判断が分かれます。
単なる事務室や、どこにでもあるような一般的な店舗(例えば一般的な理髪店や飲食店)であれば、近隣に代替物件を見つけることは可能とされやすいです。
しかし、特定の客層をターゲットにした高級店、大型の特殊設備(自動車整備工場や質蔵など)を要する業種、特定の街(表参道やコリアンタウンなど)のブランドイメージと不可分な店舗の場合は、代替物件の確保が極めて困難であるとして、正当事由が否定される方向に強く働きます。
3 立退料の性質と算定基準の違い
居住用
立退料は主に「転居に伴う実費の補填」と「当面の生活の安定」を目的とします。
具体的には、引越費用、移転先の初期費用(敷金・礼金・仲介手数料等)、および現在の賃料と新規賃料との差額(通常数年分)で構成されます。
金額としては数十万円から数百万円程度になることが一般的です。
事業用
立退料は実費の補填にとどまらず、その場所で営業してきたことの価値そのものを補償する性質を持ちます。
具体的には、長年低廉な賃料で借りていたことによる経済的利益である「借家権価格」や、移転・休業に伴う損失を補填する「営業補償(休業損害、得意先喪失補償など)」、造作や内装等の「工作物補償」が合算して算定されるため、数千万円から数億円という莫大な金額になることが珍しくありません。
公共事業の立退き基準である「用対連基準」が準用・参考にされることも多いです。
第4 裁判例の概観
以下では、令和4年〜令和7年の裁判例を「居住用・事業用」、「肯定・否定」の4区分に整理してご紹介します。
ご自分のケースに近い事案と比較しながらご覧ください。
1 正当事由を【肯定】した裁判例(居住用物件)
肯定されたケースの共通点は「倒壊の危険が切迫している」、または「賃貸人の自己使用の必要性が高く、賃借人に転居困難な事情がない」という点です。
| 裁判年月日 | 事案の概要 | 決定した立退料等 | 裁判所の判断ポイント |
|---|---|---|---|
| 東京地裁令和4年7月11日 | 昭和50年築アパート。 老朽化による建替え。賃貸人は更新料免除等の措置を実施。 | 30万円 | 老朽化が著しく建替えに合理性があり、代替物件も存在するため肯定。 |
| 東京地裁令和4年9月9日 | アパート2階。 難病を抱える高齢の賃貸人が、介護のため息子と同居する目的(自己使用)。 | 270万円 | 賃貸人の自己使用の必要性を高く評価し、転居費用や賃料差額等の補填により肯定。 |
| 東京地裁令和6年3月22日 | 昭和61年築の木造アパート(6戸)。不動産会社が建替えにより収益物件を新築する計画。他の5室はすでに退去済み。 | 400万円 | 賃貸人の自己使用の必要性を認める一方、賃借人の転居も容易として肯定。 |
| 東京地裁令和6年8月20日 | 築60年超の木造家屋。 老朽化・耐震性不足による解体の必要性。訴訟係属中に賃貸人が死亡し、相続人が相続税納付のための敷地売却の必要性も加わった。 | 285万円 | 敷地売却の必要性は高くないが、老朽化により解体する必要性を認め、代替物件も存在するため肯定。 |
| 東京地裁令和7年5月13日 | 昭和41年築アパート。 老朽化、耐震不足により建替えて賃貸・自己使用する計画。 | 100万円 | 耐震不足等により建替えの合理性があり、賃借人の居住の必要性を比較考量し肯定。 |
2 正当事由を【肯定】した裁判例(事業用物件)
事業用で肯定されたケースは、建物の危険性が高く、かつ賃借人が他の場所でも営業を継続できると判断されたものが中心です。
立退料の金額が数千万〜数億円に及ぶケースも多くあります。
| 裁判年月日 | 事案の概要 | 決定した立退料等 | 裁判所の判断ポイント |
|---|---|---|---|
| 東京地裁令和4年7月20日 | 飲食店。 老朽化や耐震性不足により建替えを計画。 | 1640万円 | テナント大半が退去済みで建替えの必要性が高く、営業継続の不利益は補填可能として肯定。 |
| 東京地裁令和4年12月26日 | 築60年超の居酒屋(地下店舗)。 傾斜等が生じており建物全体を建替える計画。 | 250万円 | 建替えの必要性を肯定。退去による生計への影響を考慮し、負担を軽減する立退料で肯定。 |
| 東京地裁令和5年3月23日 | スーパー(イトーヨーカ堂)。 築50年で老朽化し、建替えて他社に賃貸する計画。 | 6億1600万円 | 建替えの必要性を肯定。賃借人の営業利益や転借人の存在も考慮し、移転補償額を基礎に肯定。 |
| 東京地裁令和5年7月13日 | 表参道駅直結のスーパー。 バリアフリー化の公共的要請と耐震不足による建替え。 | 8億3000万円 | エレベーター設置という公共的要請を高度と認定。ブランド価値や利益を補償額に反映し肯定。 |
| 東京地裁令和5年10月18日 | スーパーの倉庫・休憩室。 建替えにより店舗用建物を新築する計画。 | 690万円 | 倉庫や休憩室は店舗と別物件でも代替可能であり、原告の建替えの必要性が上回るとして肯定。 |
| 東京地裁令和6年1月29日 | 沖縄料理店。 耐震性不足(旧耐震)により建替えを計画。 | 2133万円 | 耐震補強工事には経済合理性がなく建替えが相当と認定し、営業継続の不利益を補填して肯定。 |
| 東京地裁令和6年7月5日 | 事務室。 築40年超で、建替えにより床面積を拡張し有効利用する計画。 | 119万100円 | 建替えによる有効利用を肯定。事務室用途のため近隣で代替物件への移転も可能として肯定。 |
| 東京地裁令和7年2月27日 | 飲食店、事務所等。 築50年超、耐火建築物でなく接道要件も満たさない違法状態。 | 1億3700万円 | 耐火建築物への改修が不可能であり、火災等の危険回避のための取壊しを強く肯定。 |
3 正当事由を【否定】した裁判例(居住用物件)
否定されたケースでは、賃借人の高齢・転居困難という事情と、賃貸人側の経済的利益目的という事情が繰り返し登場します。
| 裁判年月日 | 事案の概要 | 提示された立退料等 | 裁判所の判断ポイント |
|---|---|---|---|
| 東京地裁令和4年3月28日 | 築43年RC造。 賃貸人が敷地を売却し老後資金とする目的。 | 50万円提示 | 老朽化の立証が不十分。賃貸人の敷地売却の希望は経済的利益の追求にすぎず、長年居住する賃借人の必要性が上回り否定。 |
| 東京地裁令和5年2月22日 | 築100年の木造建物。 周辺を含めた再開発目的。賃借人は86歳女性。 | 1000万円等提示 | 再開発は具体的であるものの、その収益目的よりも、極めて高齢で地域コミュニティに依存する賃借人の生活維持の必要性が上回ると判断し、正当事由を否定。 |
| 東京地裁令和5年3月5日 | 築97年木造。 投資回収のためアパート等を新築する計画。賃借人は97歳女性。 | 250万円提示 | 社会的経済的効用を失う「朽廃」には至っておらず、長年生活の本拠としてきた極めて高齢な賃借人の居住の必要性が圧倒的に高く否定。 |
| 東京地裁令和6年3月14日 | 居宅。 賃貸人の大家族での同居を理由とする自己使用目的。 | 100万円提示 | 賃貸人の同居状態は契約前から存在し解約理由にならない。未成年の子供を抱える賃借人の居住の必要性が高く否定。 |
| 東京地裁令和7年7月18日 | シェアハウス(2~4階)。 一部外壁の剥がれ等による朽廃主張・建替え。 | 約134万円提示等 | 倒壊に至る損傷はなく朽廃とは言えない。シェアハウス営業の必要性があり、原告の負担での建替えも相当とはいえず否定。 |
4 正当事由を【否定】した裁判例(事業用物件)
高額の立退料を提示しても否定されたケースが目立ちます。
賃貸人側の目的が「収益向上」「転売」にすぎない場合は、金額の多寡にかかわらず否定されています。
| 裁判年月日 | 事案の概要 | 提示された立退料等 | 裁判所の判断やポイント |
|---|---|---|---|
| 東京地裁令和4年2月10日 | 写真スタジオ。 賃貸人が両親と同居・介護するため二世帯住宅を建築する目的。 | 無償等 | 自己使用の必要性と写真スタジオの営業の必要性は同程度。立退料の提供もなく正当事由は認められないと否定。 |
| 東京地裁令和4年5月24日 | 美容皮膚科クリニック。 表参道沿い。車路が有効利用を妨げているとして建替え。 | 2億円提示 | 物理的な老朽化はなく、収益向上という経済的合理性のみ。クリニックの立地依存度が高く、高額提示でも否定。 |
| 東京地裁令和4年10月14日 | 衣服等販売。 旧耐震基準ビル。耐震性不足による建替え。 | 100万~300万円提示 | 建替えの必要性は高いが、賃借人の営業継続の必要性も相当あり。適正な立退料(900万円以上)の提供がないとして否定。 |
| 東京地裁令和6年6月7日 | シーシャカフェ。 外壁ボルト落下等の不具合による建替え(実質は転売目的等)。 | 3000万円提示等 | 取得後すぐに転売を計画しており建替えの必要性に乏しい。著名人も訪れる人気店であり営業継続の必要性が高く否定。 |
| 東京地裁令和7年3月26日 | ラーメン店。 関連会社の研究所を建築するための一体開発目的。 | 108万円提示 | 自己使用の必要性は現時点ではない。有名ラーメン店として確固たる基盤があり退去は困難として、立退料提示があっても否定。 |
第5 まとめ
以上の裁判例を踏まえると、居住用と事業用では次のような違いがあります。
居住用は「賃借人の平穏な生活・生命の保護」という人権的側面が強いため、特に高齢などの事情があると金銭(立退料)だけでは解決できないと判断される傾向があります。
一方、事業用は双方が経済的利益を追求しているため、最終的には立退料による金銭的解決が図られやすいものの、賃貸人側の目的が単なる利益追求にすぎない場合や、賃借人の営業にとってその場所が唯一無二の価値を持つ場合には、いくら立退料を積んでも否定されるという構造になっています。
いずれの場合も、「今すぐその建物を明け渡してもらう必要がある」という切実さを客観的に示せるかどうかが、最終的な分岐点です。
第6 よくあるご質問
-
建物が築50年以上で老朽化しています。建て替えたいのですが、正当事由として認められますか?
-
「老朽化している」という事実だけでは、正当事由として認められないケースが多くあります。
裁判所は、単に築年数が古いだけでなく、「今すぐ取り壊さなければ倒壊の危険があるか」、「耐震補強工事では対応できないか」、「修繕費用が建物の価値や賃料収入に見合わないか」といった点まで厳しく審査します。
「古いから壊したい」ではなく、「危険だから今壊す必要がある」と客観的に立証できるかどうかがポイントです。
-
立退料を支払えば、必ず退去してもらえますか?
-
立退料を支払えば必ず退去させられるわけではありません。
立退料はあくまで「正当事由が少し足りない部分を補う手段」であり、オーナー側の必要性がそもそも弱い場合には、高額の立退料を提示しても正当事由は認められません。
裁判例では、2億円や3000万円という高額の立退料を提示しても否定されたケースがあります。立退料の提示より先に、正当事由が認められる見込みがあるかどうかを確認することが重要です。
-
立退料の相場はいくらですか?
-
立退料の金額は、物件の用途(居住用か事業用か)や賃借人の個別事情によって大きく異なります。
居住用物件では、引越費用・移転先の初期費用・現賃料と新賃料の差額などを基礎に算定され、数十万円から数百万円程度になることが一般的です。
一方、事業用物件では、借家権価格・営業補償(休業損害・得意先喪失補償など)・造作工作物補償なども加算されるため、数千万円から数億円に達することも珍しくありません。
-
賃借人付きの物件を購入しました。前のオーナーの代から借りている賃借人に退去を求められますか?
-
賃借人が入居していることを知った上で物件を購入した場合、正当事由の判断において「最初から賃借人の存在を織り込んでいたはずだ」として、オーナー側の必要性が弱いと評価される傾向があります。
近年の裁判例(東京地裁令和7年8月8日、同令和7年7月18日)でも、この点が重視されて退去が否定されています。投資目的での物件取得後に退去を求めるケースは、特に正当事由が認められにくい類型の一つです。
-
賃借人が高齢や病気を理由に「転居できない」と言っています。それでも退去を求められますか?
-
賃借人が高齢・疾患・要介護状態にある場合、裁判所はその転居困難性を非常に重く見ます。
特に、長年居住してきた高齢の賃借人については、地域コミュニティとの結びつきや医療環境の変化なども考慮され、高額の立退料を提示しても正当事由が否定されたケースが複数あります。
こうしたケースでは、建物の危険性や建て替えの緊急性など、オーナー側の必要性が相当程度高くなければ、認められるのが難しい類型です。
-
賃借人が長年にわたり相場より大幅に安い賃料で借り続けています。この事情は正当事由の判断に影響しますか?
-
影響します。
これまで相場より著しく低い賃料で貸してきた事情は、「従前の経過」として正当事由の判断要素の一つになります。
ただし、それだけで正当事由が認められるわけではなく、あくまで他の事情と総合的に考慮されます。逆に、賃借人が過去に高額の権利金や更新料を支払っていた場合は、賃借人側に有利な事情として評価されます。
-
弁護士に依頼すると、どのようなことをしてもらえますか?
-
立退き案件において弁護士ができることは主に以下のとおりです。まず、正当事由が認められる見込みがあるかどうかの見通しの検討、次に賃借人との任意交渉(退去・立退料の交渉)、交渉が決裂した場合の訴訟(建物明渡請求訴訟)の対応、そして適正な立退料の算定・提示です。正当事由の判断は複雑で、事前の見通しを立てることが難しい分野です。方針を誤ると時間とコストが大幅に増加しますので、早い段階での相談をお勧めします。
第7 立退きの問題を弁護士に相談する
1 立退き問題の難しさ

建物オーナーが更新を拒絶するためには「正当事由」という高いハードルがあり、「お金を払えば解決できる」という単純な問題ではありません。
裁判例を見ると、同じ「老朽化による建て替え」という理由でも、認められるケースと認められないケースがあります。その分かれ目は、建物の危険性の程度、賃借人の生活・営業への影響、従前の経緯など、複数の事情を慎重に見極めた上で判断されます。
正当事由の判断は、弁護士であっても事前に見通しを立てることが難しい、非常に複雑な問題です。見通しを誤ったまま交渉や訴訟に進むと、時間・費用・労力のすべてが無駄になりかねません。
「退去を求めたい」とお考えの段階で、まずは専門家へのご相談を活用していただきたいと思っています。
2 当事務所の弁護士費用
建物明渡(家賃滞納以外の理由による立退請求~用法違反など)
| 手続 | 着手金(税込) | 報酬金(税込) |
|---|---|---|
| 交渉 | 33万円 | 賃料の 5ヵ月分 |
| 調停 | 55万円 | |
| 訴訟 | 77万円 |
※但し、報酬金の最低額は 55万円(税込)となります。
建物明渡(家賃滞納)
| 建物種別 | 着手金(税込) | 報酬金(税込) |
|---|---|---|
| 居住用建物 | 27.5万円 | 27.5万円 |
| 非居住用建物 | 38.5万円 | 38.5万円 |
- 未払賃料を回収した場合: 回収額の 16.5%
- 占有移転禁止仮処分: 22万円
※非居住建物とは、店舗・オフィス等を指します。
土地明渡し
※経済的利益(固定資産税評価額の2分の1等)を基準とします。
| 手続 | 着手金(税込) | 報酬金(税込) |
|---|---|---|
| 交渉 |
8.8% (最低33万円) |
17.6% |
| 調停・訴訟 |
8.8% (最低44万円) |
17.6% |
※但し、報酬金の最低額は 55万円(税込)となります。
立退料の請求(賃借人側):賃貸借契約の継続主張等も含む
| 手続 | 着手金(税込) | 報酬金(税込) |
|---|---|---|
| 交渉 | 22万円 |
立退料の獲得
・300万円以下: 55万円
・300万円超: 11% + 22万円
契約継続(住み続ける)
賃料の 1ヵ月分
|
| 調停 | 33万円 |
立退料の獲得
・300万円以下: 55万円
・300万円超: 11% + 22万円
契約継続(住み続ける)
賃料の 2ヵ月分
|
| 訴訟 | 44万円 |
立退料の獲得
・300万円以下: 55万円
・300万円超: 11% + 22万円
契約継続(住み続ける)
賃料の 3ヵ月分
|
※(着手金)交渉から調停、調停から訴訟などに移行する場合は、 差額のみとなります。
※(報酬金)賃貸借契約継続の場合、報酬金は最低 55万円(税込)からとなります。
交渉・訴訟の費用(目安)
| 経済的利益 | 着手金 | 報酬金 |
|---|---|---|
| 300万円 以下 | 最低33万円 | 17.6% |
| 300万円超 ~ 3000万円 以下 |
5.5% + 9.9万円 (最低33万円) |
11% + 19.8万円 |
| 3000万円超 ~ 3億円 以下 | 3.3% + 75.9万円 | 6.6% + 151.8万円 |
| 3億円 超 | 2.2% + 405.9万円 | 4.4% + 811.8万円 |
※報酬金の最低額は 11万円(税込)となります。
※総額の下限は、交渉44万円~、法的手続66万円~、となります。
3 ご不安な方へ|よくいただくご質問
-
まだ大きなトラブルになっていません。「ちょっと怖い・おかしい」程度の不安や違和感でも相談してよいですか?
-
もちろんです。
不動産トラブルは、初期対応が非常に重要です。
契約内容の確認や、相手方への最初の通知(内容証明郵便など)を法的に正しく行うことで、被害の拡大を防ぎ、有利に交渉を進められる可能性が高まります。
「不安」・「違和感」の段階でご相談いただくのがベストタイミングです。
-
相談料はいくらかかりますか?
-
初回相談料として、1時間以内:1万1,000円を頂いております。
以降、30分以内の延長ごとに5,500円を頂いております。
-
弁護士費用規定を見ても、よく分かりません。
-
ご安心ください。
ご相談の際に、事案の内容をうかがった上で、着手金や報酬金について明確なお見積もりをご提示します。
ご納得いただいてから契約となりますので、予測不能な費用が出る心配はありません。
-
相談方法を教えてください。
-
以下のいずれかの方法でご相談を承っております。
- オンライン相談(Google Meetなどを利用します)
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-
相談の際、どのような資料を準備すればよいですか?
-
必須ではありませんが、以下の資料をお持ちいただくと相談がスムーズです。
- 契約書(売買・賃貸借)
- 重要事項説明書
- 物件の図面、パンフレット
- トラブルの内容がわかるもの(写真、メール、相手方からの通知書など)
- 経緯をまとめたメモ(時系列で何があったか)
-
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弁護士紹介
- 1981年生まれ
- 1997年文京区立第十中学校卒業
- 2000年私立巣鴨高校卒業
- 2006年東京大学教育学部卒業
- 2008年東京都立大学法科大学院卒業
- 2009年弁護士登録
- 2024年文の風東京法律事務所を開設
- 1985年生まれ
- 2004年神奈川県立横浜翠嵐高校卒業
- 2009年一橋大学法学部卒業
- 2011年東京都立法科大学院卒業
- 2012年弁護士登録
- 2024年文の風東京法律事務所を開設
アクセス
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問題解決の見通し、今後の方針、解決までにかかる時間、弁護士費用等をご説明いたします。
※ご相談でお悩みが解決した場合は、ここで終了となります。
ご依頼
当事務所にご依頼いただく場合には、委任契約の内容をご確認いただき、委任契約書にご署名・ご捺印をいただきます。
問題解決へ
事件解決に向けて、必要な手続(和解交渉、調停、裁判)を進めていきます。
示談、調停、和解、判決などにより事件が解決に至れば終了となります。
終了
委任契約書の内容にしたがって、弁護士費用をお支払いいただきます。
お預かりした資料等はお返しいたします。


