ゴルフ場への預託金返還請求を諦める必要はありません。
よくあるお悩み

ゴルフ場会員を退会して預託金の請求をしたところ、返還時期を何年も先の時期を回答された等の相談があります。

ゴルフ会員を退会した場合、多くのゴルフ場は据置期間を理事会の決議等により延期していなどの回答を行い、容易には返還に応じなかったり、経営が厳しいことを理由として著しく低い返還額を提案することが多いようです。

では、このようなゴルフ場の回答は、法律上の正当性があるのでしょうか。

1 ゴルフ会員権の預託金返還請求の方法

ゴルフ会員権の預託金返還請求について、会員がゴルフ場に対して請求するためには、次の事実を主張する必要があります。

  1. 預託金会員制ゴルフ会員契約が成立したこと(会員証などの証拠で立証します)
  2. 会員が、会員契約に基づいて、ゴルフ場経営会社にお金を預託した事実
  3. 預託金据置期間が満了した事実
  4. 会員がゴルフクラブの退会の申し出をしたこと

多くの場合、多少証拠が不足することがあったとしても、会員であった事実や、預託金が支払われた事実などが争われることは少ないでしょう。

そうすると、裁判での主な争点は、ゴルフ場の据置期間を延期する措置が正当性を持つか否かになります。

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2 ゴルフ場の反論(据置期間の延期)について

✍ ゴルフ場の据置期間を延期の回答 ~ 裁判所は認めるか?

ゴルフ場の反論が認められるケースは、ほぼありません!!

以下の最高裁にも示されているように、ゴルフ会員契約の権利変更になることから、個別の承諾が必要とされています。

(最高裁昭和61年9月11日判決)
本件ゴルフクラブの会則は、これを承認して入会した会員と上告会社との間の契約上の権利義務の内容を構成するものということができ、会員は、右の会則に従つてゴルフ場を優先的に利用しうる権利及び年会費納入等の義務を有し、入会の際に預託した預託金を会則に定める据置期間の経過後に退会のうえ返還請求することができるものというべきであり、右会則に定める据置期間を延長することは会員の契約上の権利を変更することにほかならないから、会員の個別的な承諾を得ることが必要であり、個別的な承諾を得ていない会員に対しては据置期間の延長の効力を主張することはできないものと解すべきである。

仮に、個別の承諾書等によって会則の変更に承諾したとしても、預託金返還請求権を実質的に奪うような変更は許されません

個別具体的に、事案ごとに対応の検討が必要となりますが、多くの場合は、ゴルフ場の反論に正当性がないことがほとんとです。

個別の承諾書がゴルフ場より提出されたとしても、永久に返還請求できないような内容では、会員の預託金返還請求権が実質的に奪われてしまうので、法律的には無効と考えられるのですね。

ゴルフ場の経営状況を理由とする反論は?

これは、ゴルフ場の経営状況を理由とする反論についても同様です。

たとえば、令和2年2月7日東京地裁判決において、

「いわゆるバブル経済崩壊という経済変動の影響により本件ゴルフクラブの入会保証金の返還が当初の見込み数を大幅に上回ったため経営が圧迫されているなどとして、本件理事会決議の正当性を述べるが、資本主義社会において好不況の景気の変動によって種々の経済情勢の変化が生じることは自明の理であって、上記の経済変動についてもゴルフ場経営を長期間事業として遂行していくうえでは当然予見されるリスクの範囲内であったといわなければならない。

また、本件ゴルフクラブに入会保証金を預託して入会した会員は、据置期間の経過後に保証金の返還を受けることによって最低限預託金額を下回らない金額について投下資本の回収を図ることが期待できたのであって、このような入会保証金返還請求権の財産的な重要性も考慮すれば、被告が本件会員契約および本件預託金契約の締結時における契約内容に拘束される結果になったとしても公平に反するとはいえない。
として、ゴルフ場の反論を排斥しています。

経営状態の悪化を理由とする反論についても、最高裁が認めない判断を下し、裁判例も同様の傾向となっています。

預託金の投下資本回収という財産的重要性が評価されています。

3 その他の最高裁判例(事業譲渡、会社分割)の紹介

ゴルフ場からは、多くの場合に据置期間延長の反論がなされますが、次のように事業譲渡会社分割を行い、返還債務を免れようとする最高裁判例もありますので、ご紹介します。

事業譲渡については平成16年2月20日判決、会社分割については平成20年6月10日判決です。

預託金会員制のゴルフクラブの名称がゴルフ場の事業主体を表示するものとして用いられている場合において,ゴルフ場の事業が譲渡され,譲渡会社が用いていたゴルフクラブの名称を譲受会社が引き続き使用しているときには,譲受会社が譲受後遅滞なく当該ゴルフクラブの会員によるゴルフ場施設の優先的利用を拒否したなどの特段の事情がない限り,譲受会社は,会社法22条1項の類推適用により,当該ゴルフクラブの会員が譲渡会社に交付した預託金の返還義務を負うものと解するのが相当であるところ(最高裁平成14年(受)第399号同16年2月20日第二小法廷判決・民集58巻2号867頁参照),このことは,ゴルフ場の事業が譲渡された場合だけではなく,会社分割に伴いゴルフ場の事業が他の会社又は設立会社に承継された場合にも同様に妥当するというべきである。

 なぜなら,会社分割に伴いゴルフ場の事業が他の会社又は設立会社に承継される場合,法律行為によって事業の全部又は一部が別の権利義務の主体に承継されるという点においては,事業の譲渡と異なるところはなく,事業主体を表示するものとして用いられていたゴルフクラブの名称が事業を承継した会社によって引き続き使用されているときには,上記のような特段の事情のない限り,ゴルフクラブの会員において,同一事業主体による事業が継続しているものと信じたり,事業主体の変更があったけれども当該事業によって生じた債務については事業を承継した会社に承継されたと信じたりすることは無理からぬものというべきであるからである。

 なお,会社分割においては,承継される債権債務等が記載された分割計画書又は分割契約書が一定期間本店に備え置かれることとなっているが,ゴルフクラブの会員が本店に備え置かれた分割計画書や分割契約書を閲覧することを一般に期待することはできないので,上記判断は左右されない。

 前記事実関係によれば,被上告人は,本件会社分割により大東開発から本件ゴルフ場の事業を承継し,大東開発が事業主体を表示する名称として用いていた本件クラブの名称を引き続き使用しているというのであるから,被上告人が会社分割後遅滞なく本件ゴルフクラブの会員によるゴルフ場施設の優先的利用を拒否したなどの特段の事情がない限り,会社法22条1項の類推適用により,本件クラブの会員である上告人に対し,上告人が大東開発に預託した本件預託金の返還義務を負うものというべきである

4 具体的にどのように返還を求めていくか

1 返還手続の進め方

まずは、退会に伴って預託金の返還を求めます
書面で請求を行う方が、後に不要な争いを避けられると思います。

次に、会社が据置期間の反論を譲らない場合には、訴訟等の法的手段を検討しても良いと思います。

「1 返還請求の方法」の欄で記載した事実を主張して裁判等を行うことが難しければ、弁護士等の専門家への依頼も検討してください。

弁護士の進め方

弁護士に依頼をした場合も、前述しましたように、以下の流れで回収を図ります。

弁護士が介入しても、早期の返還を約束してくれるゴルフ場は必ずしも多くはありません。
訴訟等の法的手続も視野に入れながら交渉を行います。

ゴルフ場の預託金返還請求手続について、弁護士がご依頼を受けて回収にあたる場合も、書面による請求に始まり、任意交渉を行います。
ただ、ゴルフ場からの回答もよくないことが多いので、法的手続(訴訟提起、裁判)を積極的に利用せざるを得ない現実があります。
預託金返還請求のフロー。

上の流れ図にある、書面や電話等を利用した支払交渉(話合い)にて解決できるのが、一番望ましいといえます。

2 回収が見込めない場合とは?

ただし、ゴルフ場が民事再生手続などの債務整理手続を利用している場合などは、返還がほとんど見込めないと判断して差し支えありません。

そのため、具体的な行動にあたっては、ゴルフ場の経営状況を踏まえた検討が必要にはなります。

ゴルフ場が民事再生や破産などの法的手続を行う場合には、返還を受けるのが難しい点には注意しないといけませんね。

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