
ゴルフクラブの会員権を持つご家族が亡くなった場合、相続人が預託金(入会時にクラブに預けたお金)の返還を求めることがあります。
ところが、ゴルフクラブ側から「名義書換料を支払わなければ預託金は返還できません」と言われてしまうケースが少なくありません。

この記事では、「相続人が預託金の返還を求めるだけなら、名義書換料は不要」という明確な結論を示した裁判例をご紹介します。
同様のトラブルに直面した方にとって有力な先例となるものです。
相続人が預託金の返還だけを求める場合に、名義書換料が必要か
ゴルフクラブ側の反論に対して、どこが争点になるのか
相続で名義書換料を請求された場合の実務上の対応
1 【裁判例】東京地裁 令和4年9月6日判決の紹介
事案の概要――何が問題になったのか
この事件の登場人物と経緯を整理します。
事実関係
お父様が、あるゴルフクラブに入会し、入会保証金として400万円を預けていました。その後、お父様が亡くなり、お子様2名が相続人となりました。
相続人であるお子様2名は、ゴルフクラブに対して退会の申し出と預託金400万円の返還を請求しました。
当事者の主張
ゴルフクラブ側の対応
ゴルフクラブ側は、会則(クラブのルール)を根拠に、次のように主張して返還を拒みました。
- 会員が死亡した場合、相続人が会員資格を引き継ぐには、理事会の承認を受け、名義書換料を支払う必要がある
- 入会保証金の返還請求権だけを相続することはできない
- したがって、まず名義書換の手続をしてからでなければ、預託金は返せない
相続人側の主張
これに対して相続人側は、次のように反論しました。
- 自分たちはゴルフクラブの会員としてプレーしたいわけではない
- 亡くなった父の契約上の地位を相続し、その契約を解除(退会)して預託金を返してもらいたいだけである
- 会員資格を使うわけではないのだから、名義書換料を支払う必要はない
裁判所の判断――名義書換料は不要
裁判所は、相続人側の主張を認め、ゴルフクラブに対して預託金400万円全額(原告1人あたり200万円ずつ)の返還と遅延損害金の支払いを命じました。
裁判所の判断のポイントは次のとおりです。
会則で定められた名義書換料の支払いは、あくまで相続人が「会員としてゴルフ場を利用する」場合に必要な手続です。ゴルフクラブの会員資格には、そのクラブでプレーできるという一身専属的な(本人限りの)性質があるため、他の人が会員としてプレーするためには理事会の承認や名義書換料が必要になります。
しかし、契約上の地位そのもの(預託金の返還を求める権利を含む)は相続の対象です。相続人が契約を解除して預託金の返還を求める場合には、会員資格を行使するわけではありませんから、名義書換の手続は不要です。
つまり、裁判所は「名義書換料が必要になるのは会員としてプレーする場合だけ」「預託金を返してほしいだけなら、そのような手続は要らない」と明確に線引きをしました。
2 この裁判例のポイント
この裁判例から分かるポイント
預託金返還請求権は相続できる
ゴルフクラブに預けた預託金を返してもらう権利は、金銭債権(お金を請求する権利)ですから、当然に相続の対象になります。「返還請求権だけを相続することはできない」というクラブ側の主張は認められませんでした。
名義書換料が必要になるのは、会員としてプレーする場合だけ
名義書換料は、相続人が新たに会員としてゴルフ場を利用するための手続費用です。預託金の返還を求めるだけの場合には、名義書換の手続自体が不要です。
クラブの会則があっても、不合理な制限は認められない
クラブ側が会則を根拠にしていても、裁判所は会則の趣旨を合理的に解釈します。預託金返還という正当な権利行使を、会員資格行使のための手続要件で制限することは認められませんでした。
3 相続でゴルフクラブから名義書換料を請求されたら
1 ご自身の目的を確認しましょう
相続人として会員資格を引き継いでゴルフ場を利用したい場合は、名義書換の手続が必要になることが一般的です。
一方、会員資格は不要で預託金の返還だけを求めたい場合は、本裁判例が示すように、名義書換料を支払う必要はないと考えられます。
2 書面で退会と預託金返還を請求しましょう
口頭でのやり取りだけでなく、内容証明郵便などの書面で退会の意思と預託金返還の請求を明確に伝えることが重要です。
後日の紛争に備えて、証拠を残しておくことが大切です。
3 クラブ側が応じない場合は、早めに弁護士に相談を
今回の裁判例のように、クラブ側が会則を盾に返還を拒むケースは少なくありません。
預託金は高額であることが多く、泣き寝入りするには惜しい金額です。
弁護士に相談することで、法的に正しい手続で権利を実現することができます。
4 ゴルフクラブ会員権・預託金のご相談は実績ある弁護士にご相談

ゴルフ会員権の相続に限らず、相続に伴って「本当にこの費用を払う必要があるのか」と疑問に感じたら、一度弁護士にご相談ください。
法的に正当な権利を、正しく行使するためのお手伝いをいたします。
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据置期間の「延長」は有効?同意していない場合でも拒まれる?
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ゴルフクラブに対して、個別に同意をしていない限り、ゴルフ場からの一方的な延長は、無効と評価されます。
例外として、会員が法人組織化している場合がありますが、数としては僅少です。
(参考)
🔗ゴルフクラブ預託金の返還と手続の流れ
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返還請求の「時効」は?
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預託金の返還を請求できる時(一般には、退会申請が受理された時点)から5年です。
退会から5年以上経過している場合には、ゴルフクラブより、返還できていないことを確認する書面(債務承認書面)を必ず受領してください。
(参考)🔗ゴルフクラブの預託金の消滅時効は?
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返還請求の進め方と期間の目安は?
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事務手続(委任状・委任契約書の締結、預託金証書などの資料提供)が終了次第、ゴルフクラブへ返還の請求を行います。
交渉は、2~6ヵ月程度かかります。
それでも解決しなければ訴訟(目安3~6ヵ月程度)へ移ります。
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ご相談・ご依頼いただく際の資料について
ご相談、ご依頼いただくにあたり、以下の資料などがあると、ご相談・ご依頼がスムーズです(ただ、預託金証書など、紛失されている方も多いので、お手元になくても全く問題ありません)。
- 預託金証書
- ゴルフクラブから受領した書類
- これまでの経緯メモ(退会未了or済、預託金返還に対するゴルフクラブの対応など)
弁護士紹介
- 1981年生まれ
- 1997年文京区立第十中学校卒業
- 2000年私立巣鴨高校卒業
- 2006年東京大学教育学部卒業
- 2008年東京都立大学法科大学院卒業
- 2009年弁護士登録
- 2024年文の風東京法律事務所を開設
- 1985年生まれ
- 2004年神奈川県立横浜翠嵐高校卒業
- 2009年一橋大学法学部卒業
- 2011年東京都立法科大学院卒業
- 2012年弁護士登録
- 2024年文の風東京法律事務所を開設
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