弊社の従業員が借金を抱えていたようで、債権者を名乗る者から本人を出すよう何度も電話がかかってきます。

本人に確認したところ、確かに借金をしているようです。

このような場合、弊社としてはどのように対応すべきでしょうか。

会社への電話は、用件を聞かないと会社の業務に関係のある問い合わせかどうかが分かりませんので、最初は顧客として対応することにはなります(来訪してくる場合も同様の対応となります)。

もっとも、会社は、営利活動を行う組織ですので、業務に関係のない来訪や問い合わせには、対応する必要がありません。
(債権の回収については、たとえば給料を差押える場合は、法律で定められた適法な手続として、会社は対応する必要があります。)

業務時間中の従業員に対して、業務には関係のない用件で架電してくる場合には、「対応できない。」旨を回答して、要求を拒否するべきです。

なお、経営者の判断として、当該従業員に取次ぐことは問題ありません。

設例のような電話は、債権者が心理的プレッシャーをかけて債権の回収を図りたいような場合に、当該従業員に対する嫌がらせとして行われることが多いです。

そもそも業務時間中は、従業員は会社に対して労働を提供する義務があり、使用者にとっては労働者を労働に服させる権利があります。

そのため、債権者には対応できない旨を回答し、当該従業員には取次ぎをせず、そのまま労働させることができます。

このような電話が執拗に続いて、会社の業務に影響が生じる場合には、会社に対する威力業務妨害罪として、警察に告訴します。

弁護士 岩崎孝太郎

勤務先に借金の取立て等がなされ、従業員の借金が発覚することが稀にあります。

主には嫌がらせとして、このような行為を行うのはヤミ金業者が典型ですが、知人などからの借入れの場合もあります。

設例のようなケースでは、当該従業員は手荒な債権者からの取立てに精神的に参っていることも多いです。

従業員本人から事情を聴取するとともに、債務解消に向けて、会社として積極的に相談に乗ることも必要だと考えています。

以下にて、もう少し説明を加えていきます。

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詳細は🔗クレーム対応特設ページをご覧ください。

第1 クレーム対応の基本

1 クレーム対応において毎回行うべきこと

クレーム対応においては、顧客の主張を聞き事実関係を調査しながら、正当なクレーム不当なクレームかの判断をします。

どのようなクレームにおいても、この流れはルーティーンとして行います。

そして、正当クレームには真摯に対応する一方、不当クレームに対しては断固として拒否し、関係遮断を求めることがクレーム対応の基本です。

詳細は、以下の参考記事をご覧ください。

クレームが発生した場合には、そのクレームが正当なクレームであるかどうかを検討します。
正当なクレームである場合には真摯に対応し、不当なクレームである場合には拒否し、法的に解決を図ります。
クレーム対応では、正当か不当かの判別を行い、その分類によって目指すべきゴールが変わります

2 借金の取立てのために本人に取次ぐよう求める電話

従業員に対する用件とはいえ、従業員個人の問題であり、会社の業務とは無関係です。

そのため、業務時間中に従業員に取次ぎを求めるのは、要求内容が不当なものに該当します。

第2 会社の業務に関係のない要求(クレーム)への対応法

1 会社の業務に関係のない要求行為への対応

会社の業務に関係がない来訪者・電話に対して、対応する必要がありません。

来訪者であれば退去を求め、電話であれば切電をしても何ら問題ありません。

対応イメージ(設例)

悪質クレーマー

貸したお金の件でお電話しました。
本人に代わってください。

対応者

当社の業務に関係のないご用件ですので、対応できません。
お引き取りください。

悪質クレーマー

こっちにとっては業務なんだけどね。

対応者

繰り返しになりますが、対応できませんので、お電話を切らせていただきます。
何度もお電話をされる場合には、警察に通報させていただきます。

【参考】 電話クレーム対応【多数回・長時間・執拗】切り方を例文付きで解説
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執拗な電話クレームへの対応法
https://ik-law.jp/claim-call/

2 執拗な場合には法的手続へ(仮処分・刑事告訴の活用)

アポのない不当要求、悪質クレームに対しては、警告文を送付、警察署へ相談、仮処分の申立て、訴訟提起という手段で対抗しましょう。
業務外の対応を求める行為への対抗手段

業務外の対応を求める行為に対して、警告文の送付、警察署への相談、仮処分の申立て、訴訟提起などの手段が想定できます。

この中でも特に緊急性が高い場合には、警察署への相談(警察への通報)や仮処分の申立てを優先的に検討します。

警察への通報

会社に来訪してくる場合には、退去を求めます。

それでも退去しない場合には、不退去罪威力業務妨害罪の成立があり得ますので、速やかに110番通報をします。

電話の場合においても、頻繁に電話をかけてきたり、長時間にわたって対応を強要するなど、業務に支障が生じる場合には、会社に対する威力業務妨害罪が成立し得ます。

【参考】 悪質クレーム(カスハラ)対応で覚えておきたい「犯罪」行為類型
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悪質なクレーム(カスハラ)は、犯罪です!!
https://ik-law.jp/claimcrime/

仮処分手続の活用

執拗な態様に対しては、民事上の手続として、面談禁止の仮処分や架電禁止の仮処分を申立てることができます。

仮処分命令の発令まで進まなくても、クレーマーとの対応に裁判所を挟むことができます。

【参考】 架電・面談・撮影禁止「仮処分」をクレーム対応で申立てる!
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妨害・迷惑・嫌がらせ行為を迅速に禁止できる法的手続を解説します
https://ik-law.jp/claim_karisyobun/

3 (参考)ヤミ金業者だった場合

債権の回収であれば、裁判を起こしてから給料を差押えるという手続が、法律が予定しているものとなります。

もっとも、設例のように勤務先に嫌がらせのように電話をしてくるのは、ヤミ金である場合も想定できます。

ヤミ金は、利息制限法を遥かに超え、貸金業法42条1項で定められた年利109.5%を超える超高金利で貸付けを行います。

このような暴利は、貸付行為自体が無効となり、ヤミ金から借り入れた金銭については返済する契約上の義務がありません。

さらに、受け取った元金について、返済する必要はありませんし、むしろ返済した金銭についても、ヤミ金側の不当利得にあたるとして、返還請求をすることができます。

もし、従業員がヤミ金にまで手を出している場合には、正規の消費者金融から借り入れができなくなっている状況のため、積極的に弁護士への相談を推奨して欲しいと思います。

第3 参考 ~ 従業員の借金と労務管理(会社の対応)

1 従業員の借金が発覚する経緯

会社にとって従業員の借金が発覚するのは、設例のように債権者が会社まで連絡をしてくる場合もありますが、多くの場合は、本人の供述や、裁判所からの給与差押通知によってでしょう。

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給与(債権)の差押え手続についての解説

2 労務管理と従業員の借金

お金を借りること自体は違法な行為ではありませんし、一般的には会社の業務と無関係に行われますので、従業員の借金が企業秩序に影響を与えることはないのが原則です。

給料を差押えられることも、法律上の適法な手続が行われているだけであり、不祥事であるということはできませんので、懲戒処分の対象とすることはできません。

そのため、従業員が借金することは、従業員の自由な行為であり、企業秩序に影響を与える恐れも抽象的かつ間接的なリスクにとどまるものといえ、業務上の指示として借金を禁止することも原則として行えません。

部署によって大きなお金を扱う部署にいるような場合には、借金の状況によっては会社のお金が不正に取得されるリスクが高まるといえますので、配置転換などの業務上の必要性が認められる場合はあると考えられます。

この場合でも、これまでの当該従業員の働きぶりなどを考慮して、できる限り本人の同意を得ながら進めていくべきです。

なお、銀行等の金融機関では、市民がお金を預金するところという業務上の性質から、借金をすること自体に否定的な対応を取る傾向にあり、借金をして問題が起きたことを懲戒事由として定められていたり、保証人等になることを禁止していることもあるようです。

3 会社としての対応

借金をすること自体は問題ないとしても、返済が滞っているような場合や、返済が厳しくなっている場合には、従業員本人の仕事のクオリティが下がってしまい、会社業務へ悪影響を及ぼしたり、別の不祥事を引き起こすリスクが高くなってしまいます。

そのため、会社としては、従業員の借金を把握した場合には、事情を確認し、弁護士につなぐなど(顧問弁護士から別の弁護士を紹介してもらうなど)、債務整理をバックアップしても良いと考えています。

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第4 クレーム対応は日常の備えから ⇒ 顧問弁護士への相談

1 当事務所の考え

不当なクレーム、悪質なクレーマーから会社を守るためには、会社が一丸となり毅然とした対応を行う体制構築が必要不可欠です。

そのためには、継続的な支援が必要不可欠なものと考えており、顧問契約の締結をお願いしています。

弁護士 岩崎孝太郎

【クレーム対応基本プランの提供サービス】

クレーム対応案件における弁護士の活用法は、対応が困難、もしくは判断に迷う事例について、随時ご相談を行います。
そして、定期的に検討会を行い、対応の是非と同種事例への対応策を打合せします。

その上で、これまでに発生した事例に対する検証を行い、それを基にした対応マニュアルを整備します。

法的手続を除いて代理人としての窓口対応業務までも含めていますので、弁護士費用を予算化できますし、コスパ良く外注できる存在としてご活用いただけます。

1~2年の継続により、クレーム対応業務を内製化していき、通常の顧問契約にダウンサイジングしていくことも可能です。

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当事務所のクレーム対応のまとめ記事です

2 弁護士費用と提供サービスプラン

クレーム対応:基本プラン(6ヵ月~)

月額顧問料は、11万円(税込)。
【顧問契約提供サービス】
法律相談(法律問題全般の随時のご相談)、クレーム対応の内製化支援、契約書・社内規程のチェック等、対応マニュアルの作成・改訂、個別事件における代理人窓口対応、顧問先企業での初回無料セミナー。
【オプションサービス】
顧問先企業におけるセミナー(8万8,000円)、法的手続の代理人対応(33万円~)

クレーム対応:代行特化プラン

弁護士への委任を個々の案件ごとではなく、予算を設定して毎月定額化させたい場合に、特化プランを準備しています。
目安として毎月3件程度を上限に想定していますが、個別相談いたします。

当事務所におけるクレーム対応の特化プランです。
基本として1年間のご契約をいただき、毎月22万円×12ヵ月(税込)
定期的にクレーム対応代行を依頼したい事業者の方に

民事全般:基本プラン

上記は、クレーム対応用の特別プランですが、事件対応の一般的なプランもご利用いただけます。

この場合、毎月5万円~の月額顧問料(6ヵ月~)に、以下の事件対応費用(着手金+報酬金)となります。

通常事件の場合と同様に、月額顧問料5万円~に、事件対応費用として、着手金、報酬金を経済的利益にあてはめて算定することとしています。

ご相談予約フォーム

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お問い合わせ

ご相談については、予約制となっております。
来所相談だけでなく、Zoom相談も対応しておりますので、全国対応しております。

お問い合わせフォームまたはお電話にてご連絡ください。

STEP
1

相談時に必要なもの

事前に以下のものをご準備いただくと、ご相談がスムーズに進みます。

  • 相談内容の要点をまとめていたメモ
  • ご相談に関する資料や書類
STEP
2

ご相談(初回相談料:1時間あたり1万1,000円)

法律上の問題点や採り得る手段などを専門家の見地よりお伝えします。

問題解決の見通し、今後の方針、解決までにかかる時間、弁護士費用等をご説明いたします。

※ご相談でお悩みが解決した場合は、ここで終了となります。

STEP
3

ご依頼

当事務所にご依頼いただく場合には、委任契約の内容をご確認いただき、委任契約書にご署名・ご捺印をいただきます。

STEP
4

問題解決へ

事件解決に向けて、必要な手続(和解交渉、調停、裁判)を進めていきます。

示談、調停、和解、判決などにより事件が解決に至れば終了となります。

STEP
5

終了

委任契約書の内容にしたがって、弁護士費用をお支払いいただきます。
お預かりした資料等はお返しいたします。

STEP
6

クレーム・カスハラ対応には、会社のトップが不当クレームに対して毅然と対応する姿勢を明確にする必要があります。

大きなストレスやうっぷんが溜まっている社会であっても、会社を悪質クレーマーから守る戦いを、専門家としてサポートします。

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