クレーム・クレーマー対応のセミナーを受けたり、書籍を読んだりしても、いざ現場ではどのような問答を行ったらよいのか、具体的なイメージを持てない方もいらっしゃると思います。
そこで、他記事とも重複している点はありますが、いくつかの問答例を記載しますので、対応の具体的なイメージをお持ちいただければと思います。
もっとも、これを暗記してはいけません。
いざクレーム対応にあたる際に、暗記して思い出そうとしては、思い出せずに焦ってしまいかえって悪い対応をしてしまう可能性すらあります。
以下に記載するのは、あくまでも「例」であり、「答え」ではありません。
そのため、なんとなくの「イメージ」だけを持ち、後は自分の言葉で言うのがやりやすいと思います。
(参考) 悪質クレーマーは怖くない!クレーム対応の基本を弁護士が徹底解説!!
(参考) カスタマーハラスメント(カスハラ)被害から会社を守る対策
(まとめ記事)弁護士が伝授【クレーム・クレーマー対応】悪質・不当要求と戦う指南書
第1 あの手この手の揺さぶりフレーズに対して
1 誠意を見せろ(具体的要求を述べない場合)
悪質クレーマーの特徴として、具体的な要求を述べずに抽象的な内容に終始するものがあります。
自分から要求内容を言わず、応対者に言わせることで不当要求を完遂しようとするものです。
自身でも不当要求であると認識しているため、自分ではなく、相手に言わせる戦法で常套手段です。
対応ポイントは、相手に結論を出させることです。
会社に非があり、一定程度の賠償等をしなければならない場合には、適正な額を提案し、それ以上の対応・交渉には応じられないと回答します。
誠意を見せてよ。
(例)誠意とは、賠償をしろということでしょうか?
(例)誠意とは、具体的にはどのような内容をお考えですか?
人様に迷惑をかけているんだから、自分で考えられるだろ?
(例)
・今このように丁寧に応対しているのが誠意と考えております。
・おっしゃる誠意の意味が分かりません。
(例:非がある場合など)
・〇〇万円を賠償させていただくことが弊社にできる誠意と考えております(それ以上の対応はできないことを明言)。
・法律上生じる責任について、しっかり対応致します。
2 「〇〇ならどうなんだ?」という仮定の話や論理の飛躍をする場合
極端な事例を挙げたり、仮の事態を引き合いに出して、担当者を不安にさせることが目的として利用される方法です。
基本的スタンスは、仮定の話には付き合わない、です。
仮定の議論に付き合う必要性はありません。
相手に合わせるならば、理念的な話や壮大な話で回答すれば十分で、相手のペースに乗る必要はありません。
【会社の不具合によりケガしたという不当なクレームを想定した一例】
お宅の会社は、人にケガをさせたり重傷を負わせたら、社長が土下座して謝ってくれるんだよね?
(例)(会話の流れでスルーできるならスルーして構いません。)
(例)申し訳ありませんが、仮定の質問に対してはお答えできません。
(例)適切に対応致します。
こんな仕打ちされたら気が病むな。俺は死んでもいいってことだろ?
(例)(答える必要性はありません)
(例)そのように申しておりません。話を戻しますが、ご要望にはお応えできません。
(例)適切に対応する以外のことは申しておりません。
3 ミスを取り上げて攻撃する場合
軽微なミスや説明不足(クレーマーの勘違い含む)があった場合には、謝罪をします。
そして、軽微なミスや説明不足に謝罪しつつも、要求には応じられない姿勢を貫きます。
重大な説明不足等であれば、また別の対応が必要になり得ますが、謝罪対象と要求内容とを分けて考えて対応すれば十分な場合がほとんどだと思います。
なお、ミスや説明不足の謝罪についても、必要と思われる謝罪をした後は、謝罪をし続ける必要もありません。
さっきの説明と違うじゃねぇか?
(例)誤解を与えてしまい、お詫び致します。
(例)説明が足りずに、申し訳ありません。
(例)ご迷惑をおかけしてしまい、申し訳ありません。
それでこれはどう対応してくれるんだよ?
申し訳ございませんが、対応することができません。
ミスを認めながら対応しないって、おかしいだろ。
説明が至らなかった点は申し訳ありませんでした。
こちらは対応することができませんので、ご理解ください。
できないよね。
結局これじゃ謝られている意味もないよね?
申し訳ありませんが、お伝えしましたように、対応することはできません。
(参考) 自社に非がないクレームの対応:理不尽、不合理クレーマーと決別
4 他の事例を引き合いに出す場合
前の担当者にできると説明された、他の部署ではできると言われた等、他の事例を引き合いに出して満足のいく対応を求める場合があります。
実際に他従業員が誤った説明を行ったならば、誤った説明を行ったことについて謝ればよいです(前述の「3 ミスを取り上げて攻撃する場合」参照)。
結局のところ、できないものに対しては、「できません。」と回答するだけです。
他の人からできると言われたぞ!
それなのに今回はできないとかおかしいだろ。
説明がうまく伝わらずに、誤解させてしまい申し訳ございません。
これは対応ができません。
ご理解いただければと思います。
対応がバラバラで困るんだよ。
散々迷惑受けているんだから、やってくれよ。
ご案内が悪く申し訳ございません。
繰り返しになりますが、対応することができません。
急に手の平を返す対応はおかしいよね。
前の説明した人に謝罪してもらうから呼んでよ!
ご案内が悪く申し訳ございませんが、私が担当として引き続き対応致します。
【ダメな対応例】
悪質クレーマーは、特別扱いされることで欲求を満足させますが、今回だけでなく、また今後も同様の行為が続いてしまう恐れが高いです。
顧客平等原則を貫けない対応は、行うべきではありません。
他の人からできると言われたぞ!
それなのに今回はできないとかおかしいだろ。
(例)大変失礼しました、それでは今回だけですよ。
(例)申し訳ありません、お客様だけ特別に対応致します。
(例)すみません、必ずなんとか致します(できないことを安易に約束しない)。
5 危害等をほのめかす場合
ほのめかしのような言葉を使われた場合には、その意味を確認します。
そして、脅し等の趣旨でないとの確認をできれば、そのような言い方をする人には対応できないと牽制をします。
最近はあまり例を聞きませんが、反社の人が行う場合には、「夜道に気をつけろ」、「お前には小さい子どもがいるんだよな」などがイメージされる言葉です。
これじゃ会社も大変なことになるなぁ。
大変なこととは、どのようなことでしょうか?
そんなことは分からないよ。
脅しですね?
そんなことは言ってないだろ。
そうですか、私は恐怖を感じました。
そのような言い方をされる方の対応をできませんので、そのような言い方はお控えください。
6 法的手続に移ると述べる場合
自らの正当性をアピールしつつ、正当な手段で脅す目的で利用されるフレーズです。
そもそも相手には訴える権利や刑事告訴する権利はあり、それを止める権利を会社は有していません。
過剰に反応せず、ご判断はお任せします、と対応しておけば十分です。
なお、刑事告訴や民事裁判に訴えることは、適法な手段ですが、それが専ら相手を怖がらせるためであれば、脅迫罪に該当し得ます。
そんな態度なら、もう警察に行くしかないね。
(例)訴えてやる、(監督官庁へ)ばらすよ等。
お怒りの気持ちは分かりましたが、ご判断について、何か申し上げる立場ではありません。
本当にそれでいいのね。
どうなっても知らないからな。
繰り返しますが、何も申し上げる立場にありません。
【ダメな対応例】
弱みを見せると、当然相手に攻撃の余地を与えてしまいます。
そんな態度なら、もう警察に行くしかないね。
お願いですので、それはやめていただけないでしょうか?
こっちだって事を荒立てたくはないんだよ。
それなら誠意を示してもらおうか?
(どうしたら納得してもらえるだろう・・・?)
(参考) 納得しないクレーマーの対応法:堂々巡り・押し問答からの関係遮断
7 ネットに書く、取引先に言う等
前項(6 法的手続に移るとの述べる場合)と同様に、SNSで拡散してやる、取引先に言ってやる等の言葉を言われることがあります。
前項との違いは、SNSへアップする行為や取引先に意味もなく告知する行為は、違法となる可能性が極めて高いことです。
但し、法律の議論をすると、相手も調べてきて、話がややこしくなってしまう可能性がありますので、端的な会話で足ります。
そんな態度ならネットに書いてやるよ。
ご判断についてはお任せします。
但し、違法行為に対しては然るべき手段に出ますのでご注意ください。
お前に何ができるんだよ?
違法行為があった場合に対応すると申しているだけです。
だから何ができるんだよって聞いてるんだよ。
何もできないんだろ?
それは会社(こちら)が決めることです。
今お伝えする必要はありません。
何もできないんだろうが、強がって調子に乗るな。
ご意見は分かりましたので、お引き取りください。
(参考) スマホで動画(写真)撮影をする悪質クレーマーへの対応法
第2 無茶苦茶な要求をする場合
1 上司、責任者、社長を出せ
クレーマーに担当者を選ぶ権利はありません。
安易なエスカレーションに応じることでクレーマーの欲求を満たす必要はなく、基本的には一次担当者での対応を尽くすまでは(聞取り完了等まで)、引き続き対応して問題ありません。
ただ、担当者の対応にミスがあった等、対応過程で担当を変更した方が良い場合には、クレームに応じるものではなく、会社の都合により変えることを伝えておくことが望ましいと言えます。
お前じゃ話にならないから、上司と代わって。
私が担当者ですので、引き続き私にて対応致します。
【参考】 「組織的に対応する」とは?(不当なクレーム・悪質クレーマーの対応)
2 謝罪しろ、土下座しろ
クレーマーに対して、謝罪の姿勢を見せることは、クレーマーの怒りや興奮状態を鎮めるためにも効果的です。
しかし、いくら当方に非がある場合であっても、過剰に謝る必要はありません。
ミス(落ち度)に対応した謝罪を行います。
(例)ご不便をおかけしてしまい、お詫び申し上げます。
(例)不愉快な気分にさせてしまい、申し訳ありません。
(例)説明が足りずに、申し訳ありません。
(例)誤解を与えてしまい、お詫び致します。
もっとちゃんと謝れよ!
気持ちが全然伝わらないな。
謝罪は致しております。これ以上の謝罪には応じることができません。
土下座を要求された場合
土下座を要求された場合(ドラマの世界だけではなく、意外にも少なからず存在します)には、すべて不当要求・悪質クレームと判断して問題ありません。
脅迫や暴行を手段としている場合には、立派な「強要罪」になりますので、警告をしてもなお要求が続く場合には、警察を呼ぶべきです。
【参考】 悪質クレーム(不当要求)対応で覚えておきたい「犯罪」行為類型
3 謝罪文を書け、文書にしろ
会社に一定の落ち度があるような場合など、判断が難しい場面もあり得ますが、基本的対応として、謝罪文を出す義務はありません。
そのうえで、繰り返し要求される場合には、毅然とした対応で拒否します。
拒否するのに理由を説明する必要はありませんが、会社規則や弁護士を引き合いに出すと良いでしょう。
ご不便をおかけしてしまい、お詫び申し上げます。
謝罪はもういいから、文書にて頂戴よ。
会社の規則により文書を書くことは禁止されています。
謝ってるでしょ、それを紙にするだけだよ。
申し訳ございませんが、対応できません。
推奨しない対応
前述しましたように、法律論をストレートに持ってくると、議論がややこしくなりがちなので、推奨しません。
「警察呼びますから、警察とお話しください」との対応も考えられますが、なるべくシンプルに拒否した方が分かりやすいと思います。
謝ってるでしょ、それを紙にするだけだよ。
謝罪文の強制は、強要罪に当たります。
へぇ、まさか「謝罪文の強制は強要罪に当たる」という浅い知識で言ってないよね?
「暴行・強迫を用いて」という要件は条文で確認したんだよね?
・・・。
4 個人としての見解を教えてくれ
対応を拒否した場合に、「あなた個人はどう思うんだ?」、「個人として対応して欲しい」などと言われることがあります。
前項と同様に、会社規則や弁護士を引合いにして拒否します。
じゃあ、あなた個人として謝罪文を書いてください。
会社からは、個人として書くことも禁止されています。
あなた個人なんだから、会社は関係ないでしょ。
繰り返しになりますが、会社より禁止されていますので対応できません。
こっちも繰り返すけど、あなた個人なんだから、会社は関係ないでしょ。
何を言われましても対応ができません。ご了承ください。
(参考) 【面談】不当要求者(悪質クレーマー):対応の考え方と注意点のポイント
5 〇〇を辞めさせろ(従業員の解雇要求)
クレーマーに解雇を要求する権利などありません。
会社には、従業員を守る義務があります。
従業員にも一定程度の過失等がある場合でも、ご意見として承れば良く、社内での検討結果をクレーマーに伝える義務もありません。
態度が悪いあの従業員を辞めさせろよ。
ご不快なお気持ちにさせてしまい、申し訳ございません。
ご意見を承り、適切に指導して参ります。
アイツを辞めさせないなら、俺の気が済まないよ。
ご不快なお気持ちにさせてしまったことは、申し訳ございません。
適切に指導して参りますが、解雇の要求には応じることができません。
じゃあもう来ないからな。
ご意見ありがとうございました。
第3 要求態度が著しく不当な場合
1 暴言・誹謗中傷などを述べる場合
暴言や誹謗中傷を述べる方とは、話し合いができないことを伝えます。
その際、クレーマーに言葉の不当性を明示して伝えることが大切です。
君は使えない無能くんだね。
無能ですか?乱暴な言葉はお控えください。
私は「無能」と言われ、人格を否定されたと感じ傷つきました。
このような言葉を使われますとお話し合いができません。
無能な人に無能と教えてあげただけでしょ?
あなたは人格否定をするのですね?
そのような言葉を話される方とはお話し合いができません。
お引き取りください。
ダメな対応例
人間ですので、売り言葉に買い言葉、言い返したくなりますね。
感情的に発する言葉は、後で相手から攻撃される材料を提供してしまいますし、後で振り返った時に後悔することも多いでしょう。
クレーマーの言葉の不当性を詰問するスタイルで取引決裂を図るのが、精神的負担も少ないのではないかと考えます。
君は使えない無能くんだね。
お前の方がアホだろ。
2 長時間拘束型(要求が通るまで居座る)場合
要求を拒絶した後でも、クレーマーが全く理解せずに押し問答になることがあります。
この押し問答自体は、後述しますが、クレーマー対応としては成功しています。
ただ、これを長時間続けても疲弊するだけですので、何度伝えても理解しない相手には、警察に相談することを伝え交渉の断絶を目指します。
対応することができません。
あなたじゃ話にならないから、責任者呼んできて。
これは会社の見解ですので、誰が担当でも同じです。
本当かよ?じゃあ社長からそう説明されたら納得して帰るよ。
会社の見解は変わりませんので、誰でも同じ回答しかできません。
お引き取りください。
だから社長に会わせてって言ってるでしょ?
ご理解いただけずに残念ですが、お引き取りいただけない場合は警察に連絡致します。
(参考) 長時間拘束・多数回来店・暴言クレーマーには関係遮断を!
第4 対話のクロージング ~ 取引の拒絶へ
1 平行線を作ることが最初のゴール
これまでに、悪質クレーマー・不当要求を受けた場合に拒絶の意思表示をすることや、対応話法の例をお伝えしました。
拒絶の意思を示しても、クレーマーが会社の拒絶を理解しなかったり、何度も要求をし続けることがあります。
これは、拒絶の意思を明確にできている点でクレーマー対応として成功しています。
クレーマーに理解や共感を求めても、徒労に終わります。
平行線という最初のゴールを作ることができたら、最後のあと一押しで、取引の断絶を図ります(⇒ クレーム対応のクロージングへ)。
押し問答になっている状態は、ゴールも見えず、疲労感にも襲われますが、むしろ自信を持っていい状態なのですね!
ただ、長時間続ける意味はありませんので、取引断絶へクロージングしていきます。
「繰り返しになりますが、お引き取りください。ご理解いただけない場合は、警察を呼びますよ。」と警告します。
それでもなお居座り続けたり、なおも要求を繰り返す場合には、押し問答を長時間続ける意味はありませんので、警察を呼び、物理的に取引断絶を図ります。
2 クロージングへ(執拗な要求・長時間拘束もこれで対応)
クロージングのイメージ対話例を記載します。
繰り返しになりますが、対応できません。ご理解ください。
何度も言うけど、全然分からないね、ひどい対応だよね?
ご理解いただけずに残念ですが、会社としてお伝えしている通りですので、お引き取りください。
自分たちの責任は棚に上げて臭い物に蓋をしようってか?
ちゃんと話し合ってくれたら何も言わないよ。
すでに何度もお伝えしていますが、お引き取りください。
お引き取り頂けない場合には、警察を呼びますが、よろしいでしょうか。
警察?いいだろ、被害者はこっちだからな。
警察を呼びましたので、その場でお待ちください。
3 クロージングへ(電話の場合)
電話の場合は、「警察を呼ぶ」(警察に臨場してもらう)ことによって物理的な取引断絶を図りにくい難しさがあります。
一方で、強制的に会話を終了させる「切電」が可能ですので、対応窓口を一本化させ、執拗な架電には「切電」を積極的に活用して取引断絶を図るべきです。
書面送付や、弁護士への依頼、架電禁止仮処分の活用、警察への被害申告は、面談等の他の態様による場合と差異はありません。
電話での執拗な架電をされる場合には、弁護士委任を行い、刑事告訴の検討を推奨されるケースが多いです。
【拒絶意思を表明後の対応】
(例)
ご理解いただけずに残念ですが、会社としてお伝えしている通りですので、お引き取りください。
(例 ~ 書面を送付している場合)
〇月〇日付回答書のとおりです。
これ以上、お話しすることはありません。
(最後に)もうお話しすることはありませんので、失礼します(切電)。
だからまだ話し終わってないだろ?
すでに繰り返しお伝えしている以上の回答はできませんので、失礼します(切電)。
【再受電後 : この対応を繰り返します】
まだ話し合いの途中だろ?
電話を切るなよ!
(クレーマーと会話をする必要性はありません。対応記録はメモしましょう)
本日すでに〇回目のお電話です。
何度も何度も繰り返しますが、お伝えしている以上の回答はできませんので失礼します(切電)。
(参考) 電話クレーム対応(多数回・長時間・執拗)切り方の解説
4 断絶できない場合は法的手続へ
それでもなお、後日にまた要求を行う場合には、弁護士に交渉窓口を一任したり、再度警察を呼ぶなど、自社だけで終わらせず、外部の協力を利用してより強固な組織的対応を図ります。
【弁護士委任後 ~ 面談も電話も同じ対応】
本件はすでに弁護士委任済みです。
弁護士へご連絡ください。
何度お電話いただいても、この回答しかできませんので失礼します(応対しない)。
ここまでやってもなおも不当要求等を繰り返すクレーマーが存在しますが、その場合には、仮処分や裁判などの法的手続を利用します。
忍耐力が要求されますが、終わらないクレームはありません。
ここまでの対応が必要な場合には、時間もお金も体力も費してしまいますが、必ず出口は見出せます。
どんな場合でも終わりまでの道筋のイメージできると、気持ちは少なからず楽になると思います。
【参考】 架電・面談・撮影禁止「仮処分」をクレーム対応で申立てる!
【参考】 (第1審)民事裁判の流れを弁護士が分かりやすく解説
第5 終わりに
色々なパターンを挙げましたが、悪質クレームのパターンはこれだけに限られるものではありません。
対応の方向性、イメージをもって、後は「現場勝負!」との心構えで臨んでいただければと思います。
クレーム対応は、肉体的にも精神的にもタフな仕事ですが、方向性をしっかりと理解すれば、自分の中で1つの確たる指針となり、自信をもって対応にあたれるのではないかと思います。
第6 当事務所のクレーム対応(費用)
1 当事務所の考え
不当なクレーム、悪質なクレーマーから会社を守るためには、会社が一丸となり毅然とした対応を行う体制構築が必要不可欠です。
そのためには、継続的な支援が必要不可欠なものと考えており、顧問契約の締結をお願いしています。
【クレーム対応基本プランの提供サービス】
クレーム対応案件における弁護士の活用法は、対応が困難、もしくは判断に迷う事例について、随時ご相談を行います。
そして、定期的に検討会を行い、対応の是非と同種事例への対応策を打合せします。
その上で、これまでに発生した事例に対する検証を行い、それを基にした対応マニュアルを整備します。
法的手続を除いて代理人としての窓口対応業務までも含めていますので、弁護士費用を予算化できますし、コスパ良く外注できる存在としてご活用いただけます。
1~2年の継続により、クレーム対応業務を内製化していき、通常の顧問契約にダウンサイジングしていくことも可能です。
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売上を上げるツールとしての顧問弁護士活用法!2 弁護士費用と提供サービスプラン
クレーム対応:基本プラン(6ヵ月~)
クレーム対応:代行特化プラン
弁護士への委任を個々の案件ごとではなく、予算を設定して毎月定額化させたい場合に、特化プランを準備しています。
目安として毎月3件程度を上限に想定していますが、個別相談いたします。
民事全般:基本プラン
上記は、クレーム対応用の特別プランですが、事件対応の一般的なプランもご利用いただけます。
この場合、毎月5万円~の月額顧問料(6ヵ月~)に、以下の事件対応費用(着手金+報酬金)となります。
ご相談予約フォーム
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お問い合わせ
ご相談については、予約制となっております。
来所相談だけでなく、Zoom相談も対応しておりますので、全国対応しております。
お問い合わせフォームまたはお電話にてご連絡ください。
相談時に必要なもの
事前に以下のものをご準備いただくと、ご相談がスムーズに進みます。
- 相談内容の要点をまとめていたメモ
- ご相談に関する資料や書類
ご相談(初回相談料:1時間あたり1万1,000円)
法律上の問題点や採り得る手段などを専門家の見地よりお伝えします。
問題解決の見通し、今後の方針、解決までにかかる時間、弁護士費用等をご説明いたします。
※ご相談でお悩みが解決した場合は、ここで終了となります。
ご依頼
当事務所にご依頼いただく場合には、委任契約の内容をご確認いただき、委任契約書にご署名・ご捺印をいただきます。
問題解決へ
事件解決に向けて、必要な手続(和解交渉、調停、裁判)を進めていきます。
示談、調停、和解、判決などにより事件が解決に至れば終了となります。
終了
委任契約書の内容にしたがって、弁護士費用をお支払いいただきます。
お預かりした資料等はお返しいたします。
クレーム・カスハラ対応には、会社のトップが不当クレームに対して毅然と対応する姿勢を明確にする必要があります。
大きなストレスやうっぷんが溜まっている社会であっても、会社を悪質クレーマーから守る戦いを、専門家としてサポートします。